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(続)あなたの仕事は、「何のために」、「誰のために」?

更新日:2023年3月23日

◉この事例も半年を経て、素晴らしい成果が出ています。


は読んでいただけましたでしょうか?




ある設備メーカーのメンテナンスサービスを担当している方々のカイゼン活動についてのお話です。


 

前回の記事の最後に書いたコメントです。


私は、このカイゼンメンバーに、IT化による効率性だけを求めることで終わって欲しくありません。


日々追いまくられるように仕事をしている彼らにとって、できるだけ効率的に仕事をすることは重要です。

私は、それを否定しているわけではありません。


自分が作った「手順書」を、工事担当者たちがどれくらい頼りにしているか、

まず調べてみましょう。


現地に行っても良いし、作業リーダーに聞いても良いのです。


いま仕事をしている事務所から一歩外に出て、実態を自分の目で確認してみましょう。


現状の外に出て、自分の仕事をもう一度眺めてみましょう。


私は、カイゼンメンバーに上記のことを提案しました。

近い将来、彼らのマインドの中に新たなイメージが浮かんでくることを期待しています。


現状のコンフォートゾーンから一歩外に出てみることで、必ず彼らのマインドには今と違うものが見えてくるはずです。


新しく見えてきたものを拠り所として、自分達の本来の存在意義が見えてくるものと期待しています。


ーーこの続きは、今月(10月)の終わり頃には報告できると思います。


 

さて、あれから2週間が経過しました。


カイゼンメンバーのうち2人が、現地工事のリーダーと「意見交換」をしました。


その結果、手順書の記載内容について、不要な箇所やわかりにくい箇所についての意見を集約して、手順書の修正案を作成して、私に報告してくれました。



彼らは2週間前に、私の投げたボールを受け止めて、投げ返してはくれましたが、

彼らが投げ返したボールは、私の手元に届く前に地面に落下してしまったような感じです。


凄ーく弱いボールでした。彼らの投げ返してくれたボールは、私の足元までも届きませんでした。



私は彼らに質問してみました。

「現地工事のリーダーと「意見交換」をして、どんなことを感じました?」

「なんでも良いから感じたことを思い出してみて。」


「前から、(私たちが作った)手順書を、作業者が

あまり使っていないと言う噂は聞いていましたが、本当でした。」


「(私たちが作っている)手順書が、

あまり役に立っていないよう(で残念)でした。」


「現地工事のリーダーが、手順書は工事担当者が理解できる内容

であることが望ましいと言っていました。」


「私たちは、工事の詳細についてのノウハウを持っていませんので、

その部分は詳しく表現することができていません。」



私はこれを聞くことができて、暗闇に灯る一つの光明を見つけた思いがしました。

私は、この言葉を聞いて内心、そっと胸を無でおなでおろしていました。


彼らは毎日忙しく働いています。毎日毎日自分の仕事をこなすことが精一杯の状況です。

なかなか楽になる兆しも見えてきません。


これが彼らの現状です。


これが彼らにとっては、当たり前になっている世界なのです。

この世界のことをコンフォートゾーンと言います。


彼らは、この現状から抜け出すことを考え始めています。


コンフォートゾーンから抜け出すには、大きなエネルギーが必要です。

放っておいたら、いつまでもコンフォートゾーンの中に安住してしまいます。


 

まだ彼らには本当に理解できていませんが、本当は彼らの周りには彼らのカイゼンにとって必要な情報がたくさんあるのです。


今回彼らが話してくれたような重要な情報が、彼らの周りにたくさん転がっています。

  1. 現地工事リーダーは、手順書を作業者のために作ってほしいと考えている

  2. 作業者は、今の手順書をあまり活用していない

彼らのすぐ近くに、このように重要なヒントが以前から存在していました。


でも、彼らはそれを彼らにとって重要な情報だと思っていませんでした。


現状のコンフォートゾーンにどっぷり浸かってしまっているので、外の世界が見えなくなっているのです。


彼らは、脳内のRAS(網様体賦活系)のフィルター効果で、自分に関係ないと思われる情報をシャットアウトしているのです。


ここから抜け出す道は、ただ一つ、現状のコンフォートゾーンから抜け出すことです。


そもそも、工事手順書は

「何のために」、「誰のために」作成しているのでしょうか?


この答えを見つけることが、彼らが彼らの現状から抜け出すための第1歩なのです。


「苦労して作っている手順書があまり役に立っていない?」


この事実に目を向けられるようになれば、彼らのカイゼン活動は、「IT化による効率性だけを求める」活動ではなくなります。


本来、手順書は作業者が使うべきものです。

そのような手順書にするには、どのような手順書にしたら良いのか?


もし、それがすぐに思い浮かばなければ、作業者に聞けば良いのです。


やるべきことがはっきり見えてくれば、方法はいくらでも見つかります。


これが、本当のカイゼンです。

これが、本当の仕事のやり方です。



これができれば、八百屋の親父のように、自分の仕事の成果を肌で感じることができるようになると思いませんか?



前回もご紹介しましたが、この問題を考えるに当たって、


八百屋の親父はお客さんと直接会話をして、お客さんが何を望んでいらっしゃるかをしっかりと把握しています。

そして、お客さんに満足してもらうために、希望に合った野菜を仕入れます。


八百屋の親父はその日に仕入れる時の自分の判断を、

お客さんが笑顔で買ってくれることで、成果として肌で感じることができます。


だから八百屋の親父はいつも元気なのです。









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