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盲視により見えないはずのものが、無意識では見えている

更新日:2022年5月29日

(認知科学)コーチングでは、無意識を書き換えることがゴール達成の有力な手段です。

私は「意識の研究」を勉強することによって、無意識の書き換えの方法などのコーチング理論に加えて、私なりのやり方を考えていきたいと思っています。


この一連のブログ記事は、私の勉強ノートです。

 

一次視覚皮質の損傷は、その人から意識的な視覚を奪います。

これを盲視と言います。


彼らは、視野の特定の部分が何も見えないと主張します。

ところが実験者が彼らに何かを見せたり、光を当てたりすると、それを指差します。


これは、何らかの視覚関連情報が、盲視を引き起こす損傷を迂回して、網膜から手へと伝達されています。


fMRIを用いた盲視の実験では、被験者には見えていないターゲットによって上丘が強く活性化しましたが、同時に皮質も活性化することを示す証拠が示されていました。


のちの研究では、見えない刺激は損傷を負った一次視覚野を何らかの方法で迂回して、視床と皮質の高次の視覚野の両方を活性化することが実証されました。



カナダの心理学者メルヴィン・グッデイルの研究で報告されている患者の事例は、無意識の処理への皮質の関与を強く裏づけています。


ある患者は、34歳のときに一酸化炭素中毒を経験しています。

その際、酸素の欠乏が修復不可能な大きなダメージを左右両側の視覚皮質に引き起こし、その結果この患者は意識的知覚のもっとも基本的な能力を失って、神経学者が「視覚失認症」と呼ぶ障害を負いました。


患者は基本的に形状の認識に関して盲目で、正方形と細長い長方形を区別できませんでした。

この障害は非常に重く、彼女は線が垂直か水平か斜めかの認識すらできませんでした。



しかし身振りを司るシステムは依然としてうまく機能していましたので、斜めのスリットを通してカードを投函するように指示してみますと、患者は正確に投函できました。


どうやら患者の運動システムは、つねに意識よりも正確に何かを「見る」ことができるようでした。



また、ものをつかもうとする際にも、手の握りを対象物の大きさに適切に合わせられましたが、人差指と親指のあいだでつかむよう求めても、それはできませんでした。


動作を実行する患者の無意識の能力は、同じ形状を意識的に知覚する能力よりはるかにすぐれています。


彼女自身は気づいていませんでしたが、対象物の大きさや向きに関する情報は、無意識のうちに後頭葉や頭頂葉を通って伝えられています。

無傷の神経回路によって、意識的には見ることのできない、大きさ、位置、そして形状に関する視覚情報が抽出されるのです。


それ以来、重度の盲視、健忘症患者を対象に多くの研究がなされてきました。


  • 患者のなかには、完全な盲目を主張しながら、人通りの多い廊下を人やものにぶつからずに歩き通せる人もいます。

  • 「空間無視」と呼ばれる無意識の状態を経験する人もいます。


この患者は、右半球、とりわけ下頭頂葉のあたりの損傷により、左側の空間に注意を向けられないのです。

そのために彼らは、風景や物体の左側全体を頻繁に見落とします。


たとえば、食事の量に文句をつけたある患者は、皿の右側の料理だけを食べ、

左側は残っていることに気づきませんでした。


空間無視の症状を持つ患者は、意識的な判断が著しく損なわれて誤った報告をしますが、左側の視野は真に盲目なのではありません。


網膜と初期段階の視覚皮質は完全に機能しているにもかかわらず、左の視野の情報に注意を向け、それを意識のレベルに伝えることができないのです。



ジョン・マーシャルとピーター・ハリガンは、空間無視患者に2軒の家が描かれた絵

     (一方の家は左側が燃えていて、もう一方は燃えていない)

を患者に見せましたところ、


患者は二つの家にはどんな違いもないと主張しましたが、どちらの家に住みたいかを尋ねられると、燃えていないほうの家を指しました。


かなり多くの情報が脳の中にあって、どう使うかが大事なようです。

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