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改善って、「付加価値だけにする」こと

更新日:2022年5月29日

皆さんが気に入って手に入れたクルマ。

車を作っているところを想像したことがありますか?


各メーカーでは、いろいろ工夫を凝らして、安いコストで作る努力をしています。


カイゼンです。



トヨタ式(Toyota Production System)では、

車を作る過程でさまざまなアイデアを駆使して工夫をしています。


ご存知かもしれませんが、これを「ムダ取り」と言います。


でも少し考えてみてください。


車は製造ラインという一連の設備を使って作るのですが、

量産車で約1日かけて、鉄板の成形から始まり、自走できる完成車になります。

この時間を、リードタイムといいます。


鉄板の成形(プレス工程)では、コイル状になった鉄板を大きなプレス機でカットして、

ドアの外側のパネルに成形していきます。

通常は3回から4回プレスされることで、1枚の平なパネルがドアの形になっていきます。


押されるたびにだんだんドアの形になっていくわけですが、

プレスされている場面をもっと細かくみていきますと、

  1. プレス機に上型と下型をセット(段取りと言います)

  2. 作業者が平なパネルをプレス機にセット(供給)

  3. 作業者がプレス機のスイッチを両手で押す (安全のために両手で押さないと起動しません)

  4. プレス機が作動して、上型が下型のところまで下降

  5. 平なパネルの形が変わる(一瞬)

  6. 上型が元の位置に昇降

これを繰り返し行います。



なぜこんな説明をしたかというと、ここで考えていただきたいのです。


1〜6の各工程で、完成車に皆さんがお金を払う価値を厳密に考えてみてください。


全ての工程を経ていかないと完成しないのだから、価値はあるんじゃないの?

という答えが返ってきそうですが、


5.平なパネルの形が変わる(一瞬)

カイゼンでは、この一瞬だけを、価値と捉えて、

それ以外の物をできるところから無くしていくと考えます。


この時にアイデアを絞るのですが、

1.プレス機に上型と下型をセット(段取りと言います)の工程だって

普通に考えただけではなくすことができません。


どうするかというと

1の工程をもっと細かくみていきます。

ちょっと考えただけでも3つくらいは細かくなります。

  1. 前のパネル成形に使った型をプレス機から手前に取り出す(10分)

  2. これから使う型を型置き場から持ってくる(15分)

  3. これから使う型をプレス機にセット

ここでアイデア

a 前のパネル成形に使った型をプレス機から手前に取り出す


手前でなく、反対側に押せば型がプレス機から無くなると考えれば、


(少し抽象度を上げると、こんなアイデアを思いつきます)


これから使う型もプレス機が動いている間に、

前に持ってきて準備しておいて(外段取りと言います)


前のパネルの整形に使ったかたが、反対側に移動すると同時に

新しい型をセットっすることができるようになります。


このアイデアで、25分のムダが低減できます。


こうやってアイデアを出して、ムダを削っていくことは

逆に言えば、付加価値だけにするということになります。






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