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「両眼視野闘争」→「注意の瞬き」→「心理的不応期」物事を一つしか意識できない私の脳の姿

更新日:2022年5月29日

(認知科学)コーチングでは、無意識を書き換えることがゴール達成の有力な手段です。

私は「意識の研究」を勉強することによって、無意識の書き換えの方法などのコーチング理論に加えて、私なりのやり方を考えていきたいと思っています。


この一連のブログ記事は、私の勉強ノートです。

 

皆さんは読書に集中している時など、知的な作業に没頭することで、

周囲の状況に対して意識が隔離されたような状況を経験されたことがあると思います。


意識が占有されているときはそれ以外の情報は、無意識のバッファーで待機しています。


さらにバッファーに蓄えられた情報は、内的なノイズ、注意散漫、他の入力情報

のために消去されてしまう可能性があります。


「注意の瞬き」

コンピューター画面に、一連のカードが表示されます。

最初に現れた文字を覚えておくよう指示されます。


文字がほとんど間を置かずに現れますので、私には最初の文字がわかりませんでした。



これを「注意の瞬き」と呼んでいます。


次から次へとカードが出てくることで、

一時的に意識が飽和状態となって、脳は文字を判読できない状態になってしまいます。


脳画像法を用いると、無意識的なものも含め、すべての文字情報が脳に伝達されていることを確認できます。

俗な表現ですが、”頭に入っている”状態です。

すべての情報は、視覚の初期過程を司る領域に達しています。また脳の奥深くまで到達していることもあります。


脳の一部では、いつ文字が提示されたかを「知る」のですが、

この情報は何らかの理由で意識にのぼらないのです。


意識的に知覚されるには、文字はもう一つ先の気づきの段階まで進まねばなりません。

一つの情報だけがそこを通過し、それ以外の情報は知覚されずに取りこぼされるのです。


「両眼視野闘争」では、同時に提示された二つのイメージ間の競合を明らかにしました。

それに対し「注意の瞬き」では、「両眼視野闘争」と同じようなの競合が、

同じ場所に提示された二つのイメージの間で生じることがわかりました。



「心理的不応期」

意識の働きは、画面に表示されるイメージの速度についていけなくなるようです。


私たちは漠然とものを見ている時でも、すべての数字や文字を「見ている」気がします。

実際には、一つの文字を記憶する時には、一時的に他の文字が見えなくなります。

 

日常生活では、普段同時に起こる二つのものを知覚するのに何の問題も感じていません。


たとえば、道路標識を見ながらクラクションを聞くことができます。

心理学者は、この状況を「二重課題」(デュアルタスク)と呼んでいます。


この時最初のアイテム(=道路標識を見る)が処理されるあいだ、

二番目のアイテム(クラクションを聞く)は、無意識のバッファーに置かれ、

最初のアイテムの処理が完了するまでそこで待たされています。


私たちは、無関係な二つの異なる事象を同時に意識的に処理しているのではありません。


実際は一方が意識にのぼっているあいだ、他方は待っています。

このため処理の遅延が発生しており、これを「心理的不応期」と言います。


通常私たちは、この無意識の待ち時間に気づいていません。

というより、そもそも気づきようがないのです。


意識は他の作業に占有されていますので、

「意識による二番目のアイテムの知覚は待たされている」と認識することはできません。


さらに、できごとが生じるタイミングもとり違えてしまうのです。


ひとたび最初の課題に専念してから、二番目のアイテムがいつ出現したかを考えようとすると、意識にのぼった時点まで戻ってそのタイミングを誤認することになってしまいます。


客観的には二つの入力が同時であったとしても、私たちはそれらの同時性をとらえられずに、最初に注意の対象になったどちらか一方が先に出現したかのように感じるのです。


この主観的な遅延は意識の緩慢さに起因するもので、「注意の瞬き」と「心理的不応期」は、互いに強く関連する心理的な現象です。


注意の瞬き」と「心理的不応期」の両方がニ重課題遂行中に生じることは、

すでに実験によって確認されています。


明日も脳がものを見えなくなる実験を紹介します。

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