スコットランドに来ると、決まってワイパーを空運転させてしてしまいます。
雨も降っていないのに、ワイパーを動作させてしまうのです。
本人は、ウィンカーをつけたつもりですが、ワイパーが動いてしまいます。
イギリスでは、右ハンドルなので、運転席に座った感覚は日本にいる時と同じです。
ある意味アウェイではなく、ホームにいる感覚です。
しかし、ウィンカーとワイパーの位置が逆なため、私の無意識がホームにいる感覚から
抜け出せていないため、ついうっかり誤動作をさせてしまいます。
スコットランドで、1週間くらいゴルフを続けていると、
すっかりスコットランドがホームとなり、日本がアウェイへと入れ替わっていますので、
帰国直後に自分の車を運転するときでも、同じことをやってしまいます。
2008年8月10日、エジンバラ空港からST. Andrewsまで、レンタルした日産のNoteで、
1時間20分程度で到着します。
今回宿泊するゲストハウスは、オールドコースの1番ティーと18番グリーンの裏手。
歩いても3分のところにあります。
今回の旅では、ST.Andrewsを私のホームにしたい、
ST.Andrewsの住民の感覚を味わうことをゴールの一つに考えていました。
少し街の中を走ってみましたが、通行止めにしている個所が多く、
うまく町のセンターにたどり着くことができませんでした。
お祭りをやっていて、路上に大きな遊園地ができていたためでした。
まだ、10時を少し回ったところです。
早速ゴルフをやりたくなり、クラブハウスに向かいました。
受付のおばさんに
「キャッスル、ニュー、ジュビリーのどれかでプレーしたいのだが・・」というと
「今日はジュビリーしかやっていません。」
「スターターのところに行って聞いてみてください。」と教えてくれました。
ST. Andrewsには、7つのコースがあります。
Old ,Eden ,New ,Jubilee ,Strathtyrum ,Balgove そして、一番新しい Castleです
Castle Courseは最も新しいコースで、他の6から少し離れたところにあります。
ジュビリーは、クラブハウスのすぐ前がスタートティーになっています。
「11時過ぎに回りたい」とスターターに告げると、
「11時過ぎにもう一度ここに来てください」と言言われましたので、
車に戻って支度をして、もう一度11時前にスターターのところにいきました。
スターターは「今日は少し混んでいます。少し待っていてください」といいます。
パターの練習をして少し待っていました。
時間を見計らってもう一度スターターのところへ戻ってみますと、
別のスターターに交代していました。
このあと結果的に2時間も待たされることになってしまいました。
うまく引き継ぎがされていないようでした。
新しいスターターが「あなたも待っていた?」と聞きます。
「前のスターターが待っていろと言ったんだ。」と言うと気の毒そうな顔をして、
何とか時間を調整してくれると言いました。
スコットランドの夏は昼が長いので、問題はありませんが、ちょっとした行き違いでした。
再度スターターに呼ばれたので、「いよいよだ!」と思いながら行ってみました。
「あそこの3人はメンバーですが、一緒に回ってもらえるかどうか頼んでみたら」
「わかったよ、ありがとう。」
3人のところに行って「すみません、私も一緒にプレイさせていただけますか?」
というと3人は一瞬顔を見合せて「ああいいよ!」と快く承諾してくれた。
こうやって4人でマッチをやることになりました。
HC6のJimともう一人もJim、・・Jims' team
マッチプレイの私のパートナーのjonn、Scotland & Japan Team
この組み合わせでFour Ballを楽しむことになりました。
(二人がそれぞれのボールをプレーして 二人のベストスコアで勝敗を決する)
Jimがハンディはいくつと聞くので、9.5と答えますと、
「それは楽しみだ」ということになりました。
先程の待ち時間のことも忘れ、楽しく回れそうな予感がしてきました。
3人とも紳士で、親切に対応してくれました。
ハンディキャップ6のジムはさすがに上手でした。
コースも熟知していて、自分のホームコースで、プレイしている余裕も感じられました。
JimはST. Andrews在住。
住民は年間£125でラウンドし放題、うらやましいかぎりです。
(2021年現在では、値上がりしているかもしれません)
「日本のゴルフ場は料金が高いんだってね?」
「君もここに住めばいつでも安くできるよ」と言われ、心からそうしたいと思いました。
もしかしたら、この一言がそのころの私にとっての潜在的なゴールを喚起させたのかも?
スタートした頃から、風が強くなってきました。
それでもST. Andrewsでは、そよ風程度の感覚のようです。
強い風の中、Jimは3番ウッド(スプーン)で、
私のドライバーショットより強く低い球を打ち出しました。
アウエイの私は、すっかりこのショットに気圧されてしまいました。
「ST. Andrewsをホームにするって、こんなすごい球を打つことなんだ」
と考えたら、最初から戦意喪失でした。
と同時に「でも、いつかは俺だって」という強い意志が芽生えていました。
結局今回はアプローチの距離感とパットに悩まされました。
いつの間にかマッチプレーは16ホールで決着がついたようでした。
パートナーには気の毒でしたが、こればかりは仕方がありません。
この当時から、コーチングに出会っていて、アウエイでのマインドの使い方を
習っていたら、少しは違った展開になっていたかもしれません。
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