top of page

PDCAとPDSの大きな違い。

「方針管理」という言葉をご存知でしょうか。

今では「Hoshin Kanri」と、英語になって通用しています。

トヨタが1963年からQCを始めて、ずっと継続してきた手法が世界的に広まっているようです。


Hoshin Kanri」をWikipediaにインプットしてみると、冒頭でこんな説明が掲載されていました。

"compass management"というのがなんなのかよくわかりませんが、羅針盤管理とでもいうのでしょう。

また、The individual words "hoshin" and "kanri" と分けて説明してまいります。

"hoshin"が、進むべき方向性やゴールを指しているのに対して、 "kanri" は、確実にそこに到達するためにフォローすることを指していると、私は解釈しています。


Hoshin Kanri (Japanese: 方針管理, "policy management") is a 7-step process used in strategic planning in which strategic goals are communicated throughout the company and then put into action. The Hoshin Kanri strategic planning system originated in post-war Japan, but has since spread to the U.S. and worldwide. Translated from Japanese, Hoshin Kanri aptly means "compass management". The individual words "hoshin" and "kanri" mean direction and administration, respectively.


この英語の文章をAppleのSafariで、自動翻訳してみたのが、下記の文章です。アンダーラインの箇所はちょっとおかしいですが、一瞬にして翻訳してくれるソフトには、敬意を表します。


方針管理は、戦略目標が全社に伝達され、行動に移される戦略計画で使用される7段階のプロセスです。法心管領戦略計画制度は戦後日本に由来していますが、その後、米国および世界中に広がっています。日本語から翻訳すると、ホシン・カンリは適切に「コンパス管理」を意味します。個々の単語「法心」と「カンリ」はそれぞれ方向と管理を意味します。



方針管理は(PDCA)、(狭い意味の)目標管理(PDS)と比較するとわかりやすくなると思います。


PDCAは、Plan-Do-Check-Actionです。PDSA: Plan -Do -Study-Actionということもあります。

PDSは、 Plan -Do-Seeです。ドラッガーの本などに書いてある手法です。


両者では、Check(Study)-ActionとSeeの部分に差がありますので、この部分を比較してみましょう。


Seeでは、目標の達成状況を見る(フォローする)ことだけしか言っていません。


これに対し、Check(Study)-Actionでは、結果だけではなく、あらかじめ計画しておいた課題解決プロセスのどこが良くなかったを評価(学習)して、カイゼンという行動につなげるという点が大きなポイントです。

  • 品質管理のプロセス重視の考え方がベースにありますので、Check(Study)する対象は、プロセスです。

  • プロセスの良し悪しが、結果を決めるという考え方ですので、 Plan時にプロセスを立案しておくことが必須です。

  • 目標には、いつまでに、誰が、何を、どこまでやるのかが含まれます。

  • 簡単にできそうなことは目標とはせずに、ストレッチな目標設定が行われます。

  • Check(Study)での最も重要なことは、真因を把握することです。

  • ーここでは、なぜなぜ(5なぜ)を頻繁に使い、真因を把握します。

  • 真因を把握することで、確実なAction(カイゼン)につながっていきます。


方針管理は、もちろん組織の中で活用されるツールです。

Planの段階で、目標とそれを達成するプロセスを検討しておき、上司と部下がそれを共有します。

必ずしもトップダウンの必要はありません。ボトムアップでもお互いに共有することが重要です。


PDCA全てを通して、上司は部下が目標を達成するまで、確実に援助・フォローすることが前提です。


プランの段階では、詳細な課題達成計画をたたき台いして検討することで、おく表達成の可能性が一段と高まります。 課題達成計画を共有できた段階で、ほぼ達成できる見込みになります。

また、部署間にまたがって達成すべき課題は、お互いの部署で目標やプロセスを共有しておくことが求められます。


方針管理に真剣に取り組むことで、コミュニケーションが必要になりますので、必然的にコミュニケーションが活発になっていくというメリットもあります。


「これうまくやっといて」「あれどうなった?」「まだできないの?」

真剣にやれば、こんな会話は自然になくなります。


 

方針管理についての予備知識はこの程度にしておいて、今回の事例の紹介に移ります。


この事業部では、グローバルな環境の変化によって、半年から1年後には、取り扱っている製品の需要が大幅に増えるという情報が飛び込んできました。


今までは、「もっと作りたい!」「生産能力の半分くらいしか作れない!」という状況が続いていました。


それが、これから先には、「今の能力では作りきれなくなる。」という世界になるのです。

事業部のメンバーにしてみると、1ヶ月前にはこんな悲鳴をあげる日が来るとは想像もできない状況でした。


事業部長はこのチャンスをとらえて、「現有人員でこの需要に対応しよう!」という方針を掲げました。

この方針は厳しいとは言え、誰も反対する人はいません。


「これまでの悔しさやもどかしさを晴らす日がやってきた」と、全員のモチベーションが最高潮に上がっています。


目標は、「現有人員でこの需要に対応する」と初めから明確になっていますので、最初にやるべきことは、課題を見つけることです。


各担当の能力を検討した結果、このままでは「カスタマイズ設計者の工数が不足する」ということがわかりました。

(注:それ以外の問題は、軽微な問題なので、このストーリをわかりやすくするために、省略します。)


「カスタマイズ設計者の工数が不足する」という問題をはじめとして、全員参加でそれぞれが何をすべきかを洗い出し、推進計画を作成することになりましたが、残念ながらこれが一向に進みませんでした。


私は、この活動がこの組織にとっての年度重点課題を解決する活動ですので、方針管理という言葉は使いませんでしたが、

「課題解決プロセスを明確にした推進計画」を作成するように提案しました。

  1. 設計者の工数実績により、増産時に必要な工数を見積り、必要な低減工数を明確化する。

  2. 設計者の工数を細かく分析して、付加価値のある作業と付加価値のない作業に層別する。

  3. 付加価値のない作業の実態を深掘りして、低減策を立案する。

  4. 1〜3の検討結果を踏まえて、実行計画に落とし込む。



残念ながら半年経ってみて、今だに設計者の工数削減の結果は得られていませんでした。


このカイゼン活動を振り返ってみます。

  • 「設計者の工数を細かく分析して、付加価値のある作業と付加価値のない作業に層別」した結果、 設計者は、各工事案件の内容チェックに相当な時間をかけていることがわかりました。

  • また、製品には標準タイプと、非標準タイプがあり、標準タイプの比率が高いにも関わらず、設計者の工数がかかっていることもわかりました。


この段階で、別の組織の改善活動のベストプラクティス事例の横展ができそうだということがわかり、ベンチマーキングすることになりました。


ここで、詳細の実行計画が出来上がれば、検討不足の部分に気がついたはずなのですが、詳細な実行計画は出来上がりませんでした。


改善事例のベストプラクティスを横展する場合、その事例をそのまま自分の組織に当てはめることは困難です。


組織によって、なんらかの違いがあるので、その違いを明確にすることは重要です。


また、ベストプラクティス事例を俯瞰的にみて、どの部分がそのまま使えて、どの部分が使えないかを検討することも重要です。


詳細な実行計画が出来上がらなかったことは、この検討ができていないことを示しており、私は心配でした。


方針管理では、この課題解決プロセスが出来上がれば、上司をはじめとした関係者がそれをみることで、課題の達成可能性が判断できるのです。


しかし、担当者がどのような手順で課題解決を考えているかが見える化されないと、アドバイスのしようがありません。


「設計者が、各工事案件の内容チェックに相当な時間をかけている。」ということは、お客様の要求仕様が営業を通して正しく伝わっていないということが問題なのです。


しかし、「営業は忙しいから」とか、「営業はお客様からのプレッシャがあるから」という理由を忖度して、この問題を問題として認識していなかったことが後からわかりました。


少なくともベストプラクティス事例を精査てみると、営業VS設計の情報伝達に関する課題を解決しているのです。

しかし、「営業は忙しいから仕方がない」とか、

「営業はお客様からのプレッシャがあるから仕方がない」というスコトーマが働いてしまい、問題として意識に上げることをしなかったということがわかりました。


なぜなぜ分析的に言えば、これで今回の活動がうまくいかなかったことの真因に辿り着いたということになります。


これが方針管理、PDCAの重要なポイントです。


どんな手順で課題解決の活動を進めたのかというプロセスを、振り返ってみて、そのどこに問題の原因があったかを特定する。


今回は、下記を真因として認識することができれば、正しいアクションにつながって、的確な課題解決ができるようになります。

  • ベストプラクティス事例の横展」という対策ありきで十分な検討をしなかった。

  • 営業に対する遠慮がスコトーマになって、重要な問題を棚上げしてしまった。


もし、目標管理PDSだとしたら、「次はうまくやろう」とあてもなく頑張るということになってしまいそうですね。

閲覧数:29回0件のコメント

Comentários


bottom of page