私は「意識の研究」を勉強することによって、無意識の書き換えの方法などのコーチング理論に加えて、私なりのやり方を考えていきたいと思っています。
この一連のブログ記事は、私の勉強ノートです。
今回のテーマは、難しい課題を解決するときに、私も良くやる方法です。
以前は、「運を天に任せて、遊んじゃおう」とか、
「行き詰まってしまったから、ここは気分転換が必要だ」などと、別のことをやったりしていると、いつの間にか解決策が閃くことがありました。
出張などで、新幹線に乗って車窓を眺めているときに、突然アイデアが閃くことがありました。
スタニスラス・ドゥアンヌは、「私たちは意識的な思考のみを意識しているにすぎない。」と言っています。私たちは無意識については、普段ほとんど意識していません。(・・だから「無意識」なのです。)
私たちはつねに、身体的、精神的生活においての意識の役割を過大評価しています。
無意識の力を忘れることで、自分の行動を過度に意識的な判断に結びつけています。
ですから、意識が日常生活の主役であると誤解しています。
私たちは、どのくらい視覚、言語、注意が、気づきの外でも生じ得るかを恐ろしく過小評価しているのです。
史上もっとも偉大な数学者の一人アンリ・ポアンカレの、無意識の作用に関する事例です。
エピソード1
私は、鉱山学校が主催する地質調査のために、住み慣れたカーンを出発した。
旅行中のできごとは、数学の研究を忘れさせた。
クタンスに着くと、別の目的地に行くために乗合馬車に乗った。
ステップに足を下ろしたまさにその瞬間、何の前触れもなく、フックス関数を定義するために用いていた変換が、非ユーリッド幾何学の変換と同じだという考えがひらめいた。
乗合馬車の座席に腰掛けて会話の最中だったので、この考えを検証する時間はなかった。しかし、それに間違いはないと確信していた。
そしてカーンに戻るとき、暇をみてそれを検証した。
エピソード2
私は、以前の研究と何か関係があるとは思ってもいなかった、未解決の算術の問題に注意を向けた。
うまくいかずいやになった私は、海岸のリゾート地で二、三日を過ごし、別のことを考えていた。
ある朝、断崖の上を歩いていると、不定三元二次形式の数論的変換は非ユークリッド幾何学の変換と同じだという考えが、以前と同じ簡潔さ、明確さで突然浮かんできた。
世界的な数学者ジャック・アダマールは、このエピソードを紹介した上で、数学的発見を、4つの段階に分けて説明します。
準備
あらゆる準備がなされる段階で、特定の問題について、意図された意識的な吟味が行なわれる。(この正面攻撃はたいがい実を結ばない)
解明に向けて無意識の作用が始動する。
孵化
無意識的な醸成期間、心(無意識)は当該の問題に漠然と関与し、意識的な努力の徴候をまったく示さない。
孵化の働きは、効果によってしかとらえられない。
解明
熟睡したあとや、気ままに散歩しているときに、突然「解明」が生じる。
ソリューションが輝かしく立ち現れ、数学者の意識に侵入してくる。
このソリューションは、たいがい正しい。
検証
すべての詳細を明確にするには、緩慢で努力を要する意識的な「検証」プロセスが必要とされる。
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