認知的不協和についての4回目になります。今回は集団の中での認知的不協和です。
コーチングでは、ゴールを設定してゴールの臨場感を感じると、
人は矛盾を感じて不愉快な気持ちを感じると言います。
過去3つの記事で触れてきましたが、自分を取り巻く集団の存在は、個人にとって認知的不協和を引き起こす原因となります。
その一方で、個人の内部に存在する不協和を低減する効果もあります。
社会的不一致に由来する不協和を低減させるための方法は次の3つになります。
自分自身の意見を他の人の意見と同じ意見に変える。
自分の意見に反対な人たちの意見を自分の意見と同じになるように変える。
意見の対立する人を自分自身の比較対象から外す。
単純ですが、これしかありません。
同じグループの中で意見の相違があったとき、認知的不協和が大きいほど、賛同者の支持を求めながら、反対意見の相手に対して積極的に議論をするようになります。
認知的不協和は集団内でのコミュニケーションにも大きな影響を及ぼします。
インセンティブや説得の問題をより詳細に論じることが可能になります。
例えば、インセンティブに関してですが、報償が大きいと現状とのギャップが大きいので、帰って認知的不協和を大きくする結果となってしまいます。
ですから、報償を大きくすれば良いというものではなく、少ないものの方が帰って効果があります。
コミュニケーションの議論にも影響を及ぼすことがあります。
例えば、「上司の言うことがコロコロ変わる」VS「こいつは俺の言うことを聞かない」という典型的な上司と部下のコミュニケーションギャップは、認知的不協和の典型的なものであり、感情的になる前に、上記1−3から最適な方法を選ぶというのも有効です。
認知的不協和について、4回連続でお届けしました。
認知的不協和は、現状と新たな情報とのギャップから発生する事がわかれば、
それを分析して、原因を取り去るという方法が有効になります。
コーチング的に言えば、ゴールに向かう認知的不協和は、ゴール側と現状のコンフォートゾーンのギャップから生まれます。
これはいうまでもなく、早くゴールを達成して仕舞えば解決するのですが、ゴール達成までの過渡期には、認知的不協和の発生原因を理解しておくと、比較的楽に抜け出す事ができると思います。
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