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製品開発における設計+生産技術+製造の連携力

送電関係の重要機器を開発製造しているT社では、ライバル会社間の値下げ圧力と重要部品の大幅値上げと言うダブルパンチの大きな課題に直面していた。


この大きな課題を乗り越えるために、開発者は重要部品の内製化に取り組むことにした。

重要部品の値上げ分だけで、8%余りの原価負担になってしまう。


まず営業部門と相談し、顧客が購入してくれる価格を想定した結果、売価は5%減で設定しておかないと、顧客からの値下げ要求に対応できないことがわかった。

競合メーカーもそれくらいのレベルを提示してくる事は間違いなかった。


次に、財務部門と協議すると、前者の中長期計画を達成するためには、目指すべき利益率を20%とする高いハードルを受け入れざるを得ないことも分かった。


そうなると、製造原価を現状から25%低減する必要がある。


正直言って今までこのような方法で開発目標を設定した経験はなかったが、トヨタで製品開発の期間に行っている原価企画活動をベンチマーキングして、今回のモデルチェンジに適用しようということになっていた。


「顧客が購入してくれる価格」ー「目標利益」=「目標原価」


上記のようにこの公式で原価目標の決定プロセスを当てはめてみると、今回の新製品を25%低減で開発する必要がある。


従来の開発のやり方では到底到達できそうもない高いハードルだったが、重要部品の値上げに対して、その部品を大幅に改良して内製化すると言う腹が決まったとも言える。

このような値下げ圧力があったため、必然的に現状を打破しなければならないということになったのである。


現状のパラダイムから、外に出る高い目標を掲げることで、今までとは違うアイデアも生まれてきた。

重要部品の自社開発という高い目標に挑戦することで、今まで見過ごしていた技術なども取り入れることができた。



 

そして、試作品を製造して試験評価してみると、見事に各評価項目をクリアしていることが確認できた。

現状の外のゴールを設定して、チャレンジすることで、RAS(関係ない情報をシャットダウンする脳のフィルター機能)が外れて、開発者の脳の中に必要な情報が飛び込んできて、一気呵成に目標を達成することができた。 従来通りの製品開発では、脳の働きはこんなに活性化することはなかった。

図面段階では見事に目標をクリアできていることが確認できた。

しかしここまでくると、今度は実際にこのコストで製品を作ることができるかということが心配になってきた。


購入部品については、設計変更した部分について仕入れ先から見積もりを入手して確認していた。


しかし内製の原価については、重要部品の内製化による工数増分をを吸収してほしいというのが、開発からの希望であったが、これを試作段階まで製造に明確に伝えていなかった。


実際に試作品の製造段階では、現行モデルに対して5時間多くかかったことがわかった。


ここから製造の工数低減活動が始まった。


もう少し開発の初期からこの課題を提示されていれば、製造からの構造変更提案も行うことができたかもしれないが、設計が固まった今となってはすでに手遅れだった。



まず、現行モデルの工程を見直すことから始め、組み付け工程を明確に設定し、専用の治具を作製することで、2人作業を一人作業にした。


また、工程レイアウト全体を見直しして、極力歩行時間を減少させた。

ここまでの活動で、5時間から1時間まで4時間の低減ができた。


さらに、後1時間の低減目標を関係者全員で共有しながら、活動を続けた。このコスト低減活動は、設計+生産技術+工程計画の力を合わせて行うことができたことで、大きな効果を上げることができた。


残りの1時間についても全員の知恵を振り絞り、工数低減の目処が立っている。


この時点で現行モデルの作業工程を振り返ってみると、あまり効率的な工程ではなかったことを反省した。

そういう意味では、今回のモデルチェンジで現行モデルの非効率な部分も改善することができた。

今後は、今回対象とした重要部品の内製化工程だけでなく、その他全体の工程も対象にして活動を続けていくことにしている。


製品開発では、お客様の購入してくれる相場価格から、必要な利益を確保して目標原価を決める。

新製品の総原価は、関係者全員で作り込む。

今回は、設計+生産技術+工程計画の力を結集した。

例えば、購入部品を提言したい場合には、設計と調達の連携が重要。


かつては、組織関連携は日本のお家芸などと言われていた時期もありますが、GDPが韓国や台湾において行かれてた現在、もっともっと関係者で連携して生産性を高めることに真剣い取り組みましょう。




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