脳の中のメンタルモデルをカイゼン

このブログでは、スタニスラス・ドゥアンヌのグローバル・ニューロナル・ワークスペース理論について、詳しく見てきました。

私達の目が錯覚をおこす、盲視などについて見てきました。


マスキング手法や fMRIなどの機会を活用して、モーダルチャンネルから脳に入った刺激が、ワークスペースのニューロンの活性化により、コード化されて蓄積されていきます。

私たちは、モナ・リザという一つのイメージを、「身体から分離した手」、「微笑み」、「空間を漂う目」などの感覚情報や、他のさまざまな情報(名前、意味、ダ・ヴィンチの天才についての知識など)を、統合してモナリザという全体のイメージを理解しています。

ここでは、ダ・ヴィンチの天才についての知識について持っている人と持たない人では、「モナ・リザ」という言葉の受け止め方が少し変わって来ます。

下記の事例は私達の日常生活で、よくあることです。


リーダーという言葉についてのメンタルモデルの違いの例です。


「君には今日からこのグループのリーダーをやってもらうよ。」と上司Aは部下のBに指示をしたとします。

上司Aは自分のこれまでの経験から、「リーダー」とは下記のような人物だと理解しています。

  • 「リーダー」は、このグループの上位組織の課題をしっかりと理解している

  • 「リーダー」は、上位組織の課題を踏まえて、このグループの課題が何かを理解している

  • 「リーダー」は、このグループの課題を理解した上で、グループメンバーに課題と解決プロセスを説明している

  • 「リーダー」は、グループメンバーそれぞれと課題・解決プロセス・各人の役割を共有している

  • 「リーダー」は、グループメンバーが、課題解決上の障害に直面した時に、そのメンバーをバックアップする

新しくリーダーになったBは、辞令を受けて、自分のリーダー像を追求し始めます。

  • 自分はグループメンバーより優秀だから、リーダーに選ばれた

  • 自分はメンバーに人望があるので、多少の無理なことがあっても、自分についてくる

  • 自分がこれまでしてきたように、メンバーが能力を発揮すれば課題は解決できる

  • 能力のないメンバーには、期待はしない自分がカバーする

あきらかに、AとBの「リーダー像」は違っています。


グループメンバーは、Aをリーダーとしてしばらく仕事をしてきましたので、

暗黙にAのものの言い方や振る舞い方について、「リーダー像」としてコード化して記憶しています。


 

しばらくして、Aはグループのパフォーマンスが落ちていることをはっきりと感じました。

Bがメンバーから浮いてしまったように見えてきます。


Bが遅くまで残っているので、各メンバーの残業が増えてきてしまいました。

Aは、グループメンバーCに、それとなく話を聞いていました。

「最近仕事はどうだい? 楽しくできている?」


Cの口から、Bに対する不満が湧き出てきました。

「Bさんは頑張れというが、私が具体的に何をしたら良いのかわからなくて、悩んでいます。」

「Bさんがやっていることは、Aさんの言っていることに反しているような気がします。」

「仕事がうまく行かない時に、Aさんには相談していましたが、Bさんには怒られそうなので相談することができません。」

こんな具合です。よくある話です。

これをBの人柄や個性のせいにして、

「あいつは性格的にリーダーい向いていない」

「もうすこし、部下の気持ちを理解してやれないものか?」


などと考えてしまうと、全員が不幸になってしまいます。

Bは今までの経験から自分の「リーダー像」を脳の中に持っています。

このイメージがスコトーマ(心理的盲点)をつくって、新たなイメージを考えられなくなっているのです。


他人のスコトーマは、よく見えます。


Bは、もともと仕事のできる優秀な人物です。


そこで、Bが脳の中に持っている「リーダー像」を表に出します。

上記の箇条書きの部分を見比べてみれば、食い違いは誰にでもよく分かります。

やり方は、色々考えられますが、まずそれについてAとBが話し合ってみます。

Aの考えている「リーダー像」と比較をしてみます。


自分のメンタルモデルとAのメンタルモデルの差に、Bが気がつけば成功です。

スコトーマは外れます。


Bのスコトーマを外すことができれば、成功は確実です。

「あいつは性格的にリーダーい向いていない」と言って片付けてしまうと、明るい未来が訪れることはありません。


これもカイゼンです。


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