私がクラブを作ってもらったり、スイングを見てもらったりしている師匠が、横須賀の大谷部というところで、ハミングバード・スポルテという名前のお店を営んでいます。
どうして悶絶するほどのシャフトの柔らかいクラブを作るに至ったか?
私は何度も聞かされていますので、皆さんにもお伝えしたいと思います。
この記事の後、週に一度ほど私の体験を聞いていただきたいと思います。
20年以上前、
キャロウェイのビックバーサやセイコーのSヤードなどのお化け商品の時代です。
師匠はお客さんからリシャフトを注文されて交換していました。
リシャフト後にお客さんに調子を伺うと大抵の方は、
「いいねー よくなったよー」とお世辞交じりで感謝してくれました。
しかし、その手のリシャフトをしたお客様の多くは数か月、半年もしないうちに
新しいクラブに替わっていたのです。
師匠には、それがどうしても腑に落ちませんでした。
そんな時、フジクラのスピーダーに出会いました。
11種類の硬さのバリエーションがありましたので、全く同じヘッド(重量も含め)、全く同じ長さ同じグリップで全てのクラブを仕上げ、2か月位に渡り延べ100人近い人に打って貰いました。
若い人もいれば、年配の方もいました。シングルハンディ、ゴルフ歴30年を超える人や始めたばかりの人もいました。
同時にヘッドスピードも計測していましたので、ヘッドスピードは50を超える人から30台の人まで色々いたそうですが、平均的には40前後でした。
驚くことに そのテストをして頂いたお客様の9割に近い方がその11種類の中で
一番柔らかいものが 一番打ち易く、距離も出るという結果が出たのです。
一番硬いもので 振動数275cpm
一番柔らかいもので 振動数230cpm
こういう情報に関しては、大手のメーカーは知っていても公表しないものです。
これは素晴らしいデータだと思います。
特に 255cpmを超える硬さのモノは誰一人として
「これはいい! これなら買う!」とは言わなかったそうです。
大抵の(自称)上級者は、シャフトの硬さのデータを見てから、
「これは俺には柔らかすぎる」というのが常です。
「私には固すぎる」と正直に言うことが沽券に関わるとでもいうのでしょうか?
(少し情動優位な発言になってしまいました😅)
実際私がこの種のクラブを使っていますと、同伴になった方がふにゃふにゃなシャフトを
くねくねさせながら、「何だこれ?」とほぼ同じセリフが出てきます。
中には、「あなたには柔らかすぎるよ!俺より若いんだから」とアドバイスしてくださる方もおられます。
別の機会に再度同伴になって、私の顔や名前は忘れてしまっている方でも、
「あっ!あのふにゃふにゃクラブの人?」とクラブの方が記憶に残っているようです。
試打テストの結果に戻ります。
師匠は被験者に硬さのデータを一切告げずに、どれが硬く感じ、どれが柔らかく感じたか
ほぼ全員のテスターに評価してもらいました。
その結果
「実際の硬さを硬いものほど柔らかく感じ、
柔らかいものほど硬く感じた」
という評価が過半数を超えたのです。
それから師匠は、柔らかいシャフトにめちゃくちゃ重いヘッドを装着したクラブを作るようになりました。どんどんエスカレートしていきました。
パターについても、「できるだけ大きく動かさない方がブレない」と言う基本的な考え方のもとに、自分で設計して試作品まで作って、販売するようになりました。
*上記のリンクは、師匠に断らずに私が勝手にリンク情報を加えました😀
私が使っているクラブもそのタイプで、シャフトはフジクラ製ですが、市販品でなく、特注品です。
最後に「ゴルフスイングは、振り子運動だ」
「シャフトは捻って捻り戻すのでヘッドスピードが速くなる」というように誤解されていますが、遠心力でクラブヘッドが引っ張られて、体を痛めてしまいますよ。
この辺りも師匠からの受け売りですが、後日お話をしたいと思います。
ゴルフがお好きな方は、今後の連載記事にご注目ください。
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