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執筆者の写真Hatsuo Yamada

真剣に課題について議論することが、信頼関係を育みます

多くの企業では、今日(4月29日)から連休に入るようですので、4月は終わりになります。


4月から新たな年度に入る会社は多く、今月中に、今年度の重要課題を議論して来た皆さんも多くいらっしゃると思います。


組織で大きなパフォーマンスを上げるには、関係者で課題を共有して、力を合わせてそれを解決することが重要です。


これを上司と部下の関係で見ると、「上司が課題を与えてその解決まで責任持ってフォローする」ことが文化になっている組織と、「上司が部下に課題を丸投げ」という困った人たちも存在します。



「自分も若い頃からそういう環境で育ってきた」ということを理由にして、「丸投げ」を正当化する人もいます。


こんなことは理由にはなりませんが、そのような人が現に存在することも事実です。ここではそのような人は、置いていきたいと思います。


例えば、今年度は「製造部門の生産性を10%向上」することを部門全体の課題としたとします。

この部門全体の課題が、下位の組織に下されていくわけですが、

製造部の課題は、「生産性を10%向上」

組立課の課題は、「生産性を10%向上」

組立係の課題は、「生産性を10%向上」


一見「生産性を10%向上」という課題が末端まで共有されていると言えるのでしょうか?

同じ言葉が、合言葉のように全体に伝わっているようですが、組立係は、具体的に何をするのでしょうか?


4月が終わろうとしているのに、今だに”組立係の課題は、「生産性を10%向上」”と言っているとしたら、この組織全体として、「生産性を10%向上」は、達成できないでしょう。


「生産性を10%向上」という課題を具体的にブレークダウンして、組立係が、「生産性を10%向上」するためには、工数にして何%低減する必要があるのかを計算し、それに見合った低減策を列挙して、プロセスごとに具体的にやるべきことを明確にしておく必要があります。


これが明確になっていれば、組立係長とその部下である班長は、個別の課題をどういう手順で解決するかという具体的な議論ができます。


係長「A部品の組みつけ作業のカイゼン方策を検討してみよう。」


班長「あの工程は、いつも歩行数が多いと思っていました。」


係長「そうだね、まず実態を見える化してみて、問題を洗い出そう。」


班長「分かりました。今週中に作業をビデオに収めて、観察してみます。」


係長「頼むよ。この課題なら、1ヶ月あれば改善できるので、5月中に完結する日程も作ってみてよ。それを見て、明後日にもう一度打ち合わせをしよう。」


班長「分かりました。見える化して、問題をあぶり出して、カイゼンする計画を明後日までに作成して、係長に相談できるように準備します。」


こんな会話が、4月中にできていれば、目標達成は間違いなしです。


日割りの計画ができれば、班長はそれを元に着々とカイゼンを進めることができます。


対策を進めるにあたって、部品棚を1つ作る必要が出て来た時、班長は係長に相談し、購入の許可をもらうことになります。


班長「係長、棚があるとカイゼンが進むのですが、自作すれば安く済みますので、材料を買ってもよろしいですか?」


係長「いくらくらいかかりそうなんだ?」


班長「1000円で必要な棚ができます。低減効果として10秒見ています。」


係長「わかった。早く材料を買ってカイゼンを進めて。」


そして、5月15日

班長「係長、計画通りの工数低減ができました。」


係長「計画通りにやってくれたね。ありがとう。」


こうやって上司と部下の間では信頼関係がさらに強くなり、次の課題へ挑戦していきます。


「やるべきことを、真剣に議論して実行していく。」これは、大事です。


まだ今年度は、11ヶ月残っていますので、今からでも課題の議論を始めることを

お勧めします。






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