燻銀のように仄かな光を放つ、本物の仕事

ひとつ大事な話を忘れていました。

トヨタでは昔は「購買部」というのがありましたが、今は調達と名前が変わっています。

私はかつて、この部署を相手に大量のカローラ・スプリンターを売っていました。 というと大袈裟ですが、価格を交渉する仕事をしていました。

私が車の部品の値段を全て集計して、加工費を調査し、1台の原価を見積価格として、提出してトヨタ本体の購買担当の方と交渉する仕事です。

その時にお相手をさせていただいたお相手は、のちに常務役員となられた素晴らしい方でした。

当時のシステムでは、カローラの原価を集計するのに、一昼夜システムを回すことが慣例となっていました。

そのジョブを回してもらうために、パラメーターを書きます。それをやくそ布時間までに、窓口に届けるルールでした。

やっとのことで、30分遅れてパラメータを書いて、窓口に持って行きます。平身低頭で拝み倒して明日の朝までにやってくれる約束をして、翌朝結果をみると、使えないデータの紙の山を見つけることがよくありました。

機械(コンピュータ)の方が強い時代でした。

今回は調達(購買、資材 など)部署のお話です。

このブログでも、連携の重要性につきましては何度も、皆さんにお伝えしています。


メーカーさんに、見積もり依頼をするときのことを想像してみてください。

設計部署から図面が回ってきて、それがいくらで作ってもらえるのか、お伺いを立てるのが「見積もり依頼」です。

調達担当者は、設計からの図面をもとに、見積もり依頼をメーカーに送ります。

数日後、メーカーさんの営業から「図面のここの寸法がおかしいのですが、ご確認ください」という電話が入ります。(営業と設計のやりとりがこの背後に行われています)

調達担当は、「・・確認して?」

というメールを設計に送り返します。

設計からは、「。。mmでした。間違えを訂正します」

調達担当は、それをそのまま、メーカーに伝えます。

この時間を集計してみると、膨大な時間を使っていることがわかります。

不毛な時間です。やりとりされて情報に変化はありません。我々はこのことを、「情報に付加価値がついていない」と表現します。

これじゃあまずい!!

調達担当者は、いつも思っていました。

設計からもっと具体的な仕様情報がもらえれば、「もっと交渉ができる」

忸怩たる思いでした。

そんなところに、原価企画活動が始まりました。

原価企画目標が設定され、原価を目標値まで下げるためのアイデアを提案することができます。

もはや今までのように、設計とメーカーとのやりとりの窓口業務ではありません。

「よし、これなら自分の交渉力を発揮できる」と直感的な電気が脳を走った気がしました。

この後は言うまでもなく、調達担当は自分の仕事を納得できるまでやり遂げました。もちろんまだ、カイゼン予知は残っています。

今回の活動では、設計者の意図を十分に聞くことができました。そこから、調達の目線で、リーズナブルな価格の会社を探すことができます。


実際、国外も含めて今まで温めていた情報を活用することができました。

設計者ともいろいろ話をすることで、調達の存在意義を理解してもらえたことが、今回の大きな収穫でした。

結果的に目標を達成することができ、会社の利益に大きく貢献できました。

調達は、全体から見たら基幹組織を支える支援組織です。

しかし、基幹組織と一体となって活動することによって、本来の力を発揮できました。

あなたの会社には他にも、こんな組織が眠っていませんか?

一人でも素晴らしい結果を出すことができますが、連携するともっと大きな力が出ます。

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