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無意識は決定を下して、次のステップに進むことはできない。

執筆者の写真: Hatsuo YamadaHatsuo Yamada

更新日:2022年5月29日

「意識の研究」を学ぶことで、自分なりの無意識の書き替えなどのコーチング理論について考えたいと思います。


この一連のブログ投稿は私の学習ノートです。

 

「12×13を暗算してください」と言われたら、あなたはどうしますか?

1つは122=144を計算して、2を加えるというやり方があります。

紙には書かなくても、頭の中で計算する人もいると思います。


今回のお話は、暗算のやり方についてでありません。

3+5のような単純な計算は特に計算プロセスを記憶に留めることはありませんが、

12×13というような普段はあまりやらない比較的複雑な計算の場合は、その手順をどうやったかが、記憶に残ります。意識が関わっているという証拠です。


顔の認識、手順の設定、一桁の足し算、言葉の選定など単純なプロセスがどうだったのかを記憶しているわけではありません。このような単純なプロセスは無意識の領域です。


いくつかの基本的なステップの結合によって形成される「アルゴリズム」は、進化を通じて獲得された、意識の独自の機能であるようです。


脳には、内部ルーチンとの情報の柔軟な交換を可能にする「ルーター」のような機能があるのではないかと思われます。


種々のプロセッサーから情報を集め、総合し、その結果を他のいくつかのプロセッサーに一斉伝達することは、意識の主要な機能の一つだと考えられます。


意識から、情報を受け取った各プロセッサーは、それに無意識の技術を適用して、直列/並列混合処理が実行されます。

大規模なパラレル処理が実行される段階で、意思決定や情報経路制御などのシリアルな処理が行なわれる段階が挟み込まれるのです。



人工知能を装備したプロダクションシステムは、「ワーキングメモリ」とも呼ばれるデータベースと、無数の「if-then」のルールから構成されています。


プロダクションシステムは、各ステップにおいて、各ルールがワーキングメモリの現状の状態に適合するか否かをチェックします。

複数のルールが適合する場合には、それらは優先度を決定するシステムのもとで競い合い、システムが優先順位を決定します。


最後に、優先権を獲得したルールは、プロセスが再開する前に、ワーキングメモリの内容を書き換えることになります。

こうして、一連のステップは、「無意識のうちの競争→意識的な点火→一斉伝達」という直列的な循環プロセスとなります。

次のような非常に単純なアルゴリズムをためした実験事例があります。

  1. 数値nを取り上げ、それに2を加える (n + 2)。

  2. その結果が、5より大きいか小さいかをを判断する((n + 2) > 5?)。

被験者がこのアルゴリズムを実行する際、干渉が生じるかどうかを観察しました。

すると被験者は、中間結果「n + 2」が得られる前に、無意識に最初の数値nと5を比較し始めたのです。


コンピューターは、このような間違いを犯しません。

それに対し、脳は複雑な計算を実行するために進化したのではありませんので、上記のような間違いをおこうのです。


私たち人間は、一連のシリアルな計算を実行する際には、意識の力を駆使して、ゆっくり手順を追いながら情報の流れをコントロールしているのです。


「(3 + 2) +2」 「(3 + 2) - 1」「1/ (3 + 2)」などの計算は無意識のうちには行なうことはできません。

複数のステップが必要となる計算は、つねに意識の働きを必要とします。


ターゲットの数字nを、半分のトライアルのみで見えるようマスクしてフラッシュし、

被験者に下記の演算をやってもらいました。

実験は、次の4つの課題でした。

  1. nが何かを当てる「名指し」

  2. nに2を加える「n +2」

  3. nを5と比較する「n > 5」

  4. 2を加えたうえで5と比較する、「n + 2 > 5」


1〜3の課題に関しては、被験者は偶然のレベルをはるかに超える成績を収めました。

本人が何も見なかったと報告したケースでも、無理に答えを求めると、答えることができましたので、彼らは自分が持つ無意識の知識の程度に驚きを隠せませんでした。

自分には見えていない数字を、偶然よりはるかに高い確率で推測できたのです。

無意識は意思決定プロセスにおいて、次のステージに伝えられるように、はっきりした決定を下すことはできません。

脳の累積回路(アキュムレータ)は、無意識の情報によって影響を受けるのは確かとしても、決定を下して次のステップに進むことはできないのです。


そのため複雑な計算では、無意識は、最初の演算に必要な証拠を蓄積する段階にとどまって、次に進めないのです。

一般的な結論を言えば、無意識の勘によって戦略的に思考することはできないということができます。


これらの実験の結果、意識の役割は下記の3点であることがわかりました。

  • 問題を合理的な思考によって解決するには、意識の働きが必要となる。

  • 無意識のプロセスは、意識が段階を踏んで進む合理的な戦略に従うことができる。

  • 無意識は、連続する任意のプロセス間の情報の受け渡しをコントロールする機能を持っている。

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