無意識の3分類:「意識下」、「前意識」、「切り離されたパターン」

「意識の研究」(スタニスラス・ドゥアンヌ)を学ぶことは、コーチング理論の理解をさらに深めることができます。

「無意識の書き替え」などにおいて、独自の味をつけていきたいと勉強しています。


この一連のブログ投稿は私の学習ノートです。今回は、無意識、意識に続くテーマ

「意識のしるし」を書いていきます。


無意識に関する記事(41件の目次)は、ここです。

意識に関する記事(12件)は、ここです。

 

これまでのブログで見てきたように、グローバル・ワークスペース理論は、人間の脳内で生じるさまざまな無意識のプロセスを明確に説明できます。


スタニスラス・ドゥアンヌの研究では、無意識のプロセスは、リンネ式階層分類体系と類似の方法で、無意識の分類学を提案できるところまできました。


脳の作用のほとんどは無意識のうちに生じています。


私たちは、呼吸から姿勢のコントロール、そして低次の視覚から繊細な手の動き、さらには文字認識から文法に至るまで、自分が何をしているのか、何を知っているのかに気づいていません。


「非注意性盲目」が生じると、着ぐるみのゴリラが胸を叩く姿を見落としてしまいます。

私たちのアイデンティティや行動様式は、無数の無意識のプロセッサーによって織り上げられているのです。


グローバル・ワークスペース理論は、メカニズムが異なる個々の脳領域における無意識の働きを分類することができます。


「非注意性盲目」は、意識的知覚が現れる通常の閾値をはるかに超えて視覚刺激が与えられるのに、別の課題によって心が完全に占められているため、それに気づかない現象です。


本の執筆に集中していると、時計の音は、心から消え去っています。このように、気づきは非注意性盲目によって妨げられるのです。


無意識の情報の中には、待機中の情報があり、これを「前意識」と呼びます。

情報はすでに発火しているニューロンの集合によってコード化され、注意の対象になればいつでも意識されますが、「前意識」は、実際にはまだ意識されていない状態を指します。


コンピュータシミュレーションに刺激を与えると、それによって引き起こされた活動が伝播し、最終的にはグローバル・ワークスペースを点火します。


次にこの意識的なイメージにより、次の刺激が入ってこないよう、周囲に抑制の壁を築きます。

この中枢での競争は避けられません。意識的なイメージは、何であるかと同程度に、何でもないということによっても定義されます。


ワークスペースのニューロンには、現在の意識の内容を限定し、それが何んでもないということを報せるために、強制的に沈黙させねばならないものもあります。


このような抑制の拡大は、皮質の高次の中枢にボトルネックを生みます。

どのような意識の状態でも、活動を抑制されたニューロンは、二つの物体を同時に見たり、努力を要する二つの課題を一度に遂行したりすることができません。


しかしそれは、低次の感覚野の活性化までも排除するわけではありません。

低次の感覚野は、ワークスペースが最初の刺激によって占められている場合でも、明らかにほぼ通常のレベルで機能しています。



前意識の情報は、グローバル・ワークスペースの外部に存在する、そのような一時的記憶領域に蓄えられます。そしてその情報は、私たちがそれに注意を向けない限り、そこでゆっくりと消滅していくのです。

前意識の情報は、短期間なら、回復して意識にのぼらせることができます。私たちは過去の事象を振り返って経験することができます。


目に見えないほどごくわずかな期間、かすかにイメージをフラッシュしてみます。

いくら注意を向けても、隠れた刺激は知覚できません。

図形に(時間的に) 前後をはさまれてマスクされた単語に、私たちは気づくことができません。


この種の識閾下の刺激は、視覚、意味、運動を司る脳領域に検出可能な活動を引き起こしますが、この活動はごくわずかな期間しか持続しないため、グローバル・イグニションまでには至らりません。


コンピューター・シミュレーションでも、この状況が確認されています

短い活動パルスはグローバル・イグニションを引き起こせませんでした。


高次の領域から低次の感覚野に向けてトップダウンにシグナルが戻されます。入ってくる刺激を増幅する頃には、もとの活動はすでに失われ、マスクされた情報に置き換わっているからなのです。


前意識の刺激は、それに注意を向けさえすれば意識されますが、識閾下の刺激は、いくら努力しても意識することができません。


前意識と識閾下の区別が、無意識の分類のすべてではありません。

私たちの生きているあらゆる瞬間に行なっている、調和のとれたニューロンの発火パターンによって、生命を維持する呼吸のリズムが形作られています。


このリズムは、巧妙なフィードバックループによって血中の酸素と二酸化炭素のレベルに合わせています。この呼吸という高度な神経装置は、完全に無意識のうちに作用します。


その際のニューロンの発火は、非常に強く時間的に引き延ばされます。

識閾下の作用ではありませんが、いくらそれに注意を集中しても、それを意識化することはできません。


前意識の作用でもありません。このケースは無意識の作用の三番目のカテゴリー、「切り離されたパターン」を構成します。


呼吸をコントロールする発火パターンは脳幹に限定され、前頭前皮質や頭頂皮質のグローバル・ワークスペース・システムからは切り離されています。


意識されるためには、細胞集成体内の情報は、前頭前皮質やその関連領域に存在するワークスペースのニューロンに伝達されねばなりません。

ところが呼吸のデータは、脳幹のニューロンに閉じ込められています。

したがって血中の二酸化炭素濃度を伝えるニューロンの発火パターンは、他の皮質領域には伝わらないので、私たちはその情報に気づかないのです。

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