検査の効率化は、しないこと

カイゼンって効率化することでしょ?

そう皆さんは考えているかも知れません。

カイゼンのベイシックな考え方をおさらいしてみましょう。

「カイゼンとは、要るものと要らないものにわけて、要らないものをなくしていく活動」

です。

これくらい抽象化すれば、後は皆さんが自分の仕事に当てはめるだけです。

整理整頓も、要らないものをなくしていくことです。

「カイゼンは2S(=整理整頓)から始まる」ということになります。

これを製品を製造する工程で見てみますと、「要るもの=ユーザーにとっての付加価値」

という事ができます。

言うまでもありませんが、「付加価値のないもの=要らないもの」です。

つまり、究極は、「カイゼン=付加価値だけにすること」

「在庫管理」は、「ユーザーにとっての付加価値」でしょうか?

そもそも在庫がなければ、在庫管理の仕事は発生しません。

✗:買ってもらえない無駄な在庫を作っておいて、その在庫を管理する

○:在庫は、最初から作らないこと

それと同じように考えていただきたいのですが、検査に付加価値はあるでしょうか?

「そうは言ったって、検査しなけりゃ不良品ができてしまうので、必要でしょ?」


本当にそうでしょうか、「不良品を出さないようにする」と考えることはできませんか?

ある工程では、今までに5つの不良を出してしまいました。

そのうち3件は、ボルトの締め忘れでした。

原因を調べてみると、ボルトを3箇所確実に締めるところを、1つだけ、しっかり締まっていないボルトが検査員により発見されました。

作業者に聞いてみますと、「ボルトを締めることをあまり大事な作業だと思っていなかった。」

という回答が返ってきました。

作業標準書には、「ボルトをしっかり締めること」としか書いてありませんでした。

ここでカイゼンです。

標準書に「3箇所のボルトの締結時は、トルク値30N.mで締結したことをトルクレンチで確認し、マーキングを実施すること」と明記した上で、作業者にボルトの締め忘れによる想定される事故について教育を実施しました。

それからは、おなじ不具合は再発していません。

残りの不具合についても同じように原因を把握して、カイゼンを進めました。

その結果もう再発はしなくなりました。

これでカイゼンが終わったわけではありません。これからが大事です。

ここではじめて、3箇所のボルトのトルク確認検査を廃止します。

ここまでやりきることが重要です。

闇雲に検査を廃止するのではなく、不具合を確実に潰してから、初めて検査が廃止できるのです。

今説明した事例は、ほんの一例ですが、同じような検査項目を見直し、不具合の源流を確実にカイゼンした上で、検査をなくす活動をすることで、検査員は別の新たな仕事に回ってもらいます。

品質は工程で作り込むと言う考えのもと、製造が品質を保証する仕組みを作ることが改善です。

例えば、自動車にタイヤを組み付ける仕事は、人の命に関わることですので、非常に重要な仕事です。

大抵一本のタイヤは5か6つのボルトで締結されています。

タイヤを確実に取り付けることは、ユーザーにとっても付加価値になります。

タイヤがなかったら車は走行できません。

しかし、重要だから一つひとつ作業者が時間を掛けてボルトを締め付ける必要があるでしょうか?

5つあるいは、6つのボルトをいっぺんに取り付け、トルクまで保証する自動機があれば、ユーザーの付加価値は確実に満足できます。

組み付ける作業は付加価値ですが、トルクの確認はものに変化を与えていませんので、付加価値ではありません。

ものに変化を与えているか、変化を与えていないかという視点で、見ることは付加価値を判断する上で有効なやり方です。

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