標準作業では、プロセスの良し悪しが作業者に判断できるようにすることが基本です
自工程完結でも同じく、仕事の出来栄えが後工程の要求を満たしているかどうかが
その判断基準となります。
それを「良品条件」と呼んでいます。
実際に自工程完結の考え方を使ってカイゼンを進めていくと、後工程が使っていない情報やデータが見つかります。
これは自工程完結活動を推進するときの説明によく使った事例です。
文房具購入担当者と上司の会話です。
上司「ノート類はどう言いうタイミングで発注しているの?」
「少し溜まっているようだけど。」
担当者「毎月月末に30冊購入しています」
上司「えっ?こんなに溜まっても買っているの?」
担当者「(自信を持って)はい、引き継ぎで先輩に言われた通りにやっています!」
上司「・・・・・」
笑い話のようですが、意外とこういう事例はたくさん転がっています。
何年も見直されていない標準作業でした。
多分以前に先輩がやっていたときには、コストのことをあまり意識せずに、
「使いたい時にノートがなくて、担当者が困らないこと」という良品条件で始まったのではないかと思います。
しかし、在庫がが溜まってしまうのを異常と見ることなく、カイゼンされませんでした。
「(納入リードタイムが2日なので)在庫が2冊になったら発注する」と基準を変更すればよかったのですが、PDCAではなく、PDDDDDDDDD・・・・
上司がこれを知った時、「えっ?そんなことやってたの??」と思わず口をついて出てしまうこともあります。
大切なことは、下記のマネジメントが回ることです。
異常があったら、手が挙がる(知らせが来る)
リーダーは、異常処置その場の応急手当てをする
原因を突き止め取り除く恒久対策
問題が解決したら、標準書を書き換える(標準書改訂)
異常がなければ、自律的に仕事が流れていきます。
担当者は自分のやっていることが後工程のためになっている、ひいてはお客様の満足につながっていることに自信を持つことができます。
この異常処置と恒久対策の仕組みは、製造現場の「アンドン」の仕組みと同じです。
作業者が異常を見つけたら、アンドンの紐を引いて職制に異常を伝えます。
さらに佐吉翁がトヨタ自動織機に組み込んだ、糸が切れたら(異常)機械が自動的に止まる仕組みまで遡ることができます。
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