「意識の研究」(スタニスラス・ドゥアンヌ)を学ぶことは、コーチング理論の理解をさらに深めることができます。
「無意識の書き替え」などにおいて、独自の味をつけていきたいと勉強しています。
この一連のブログ投稿は私の学習ノートです。今回は、無意識、意識に続くテーマ
「意識のしるし」を書いていきます。
私たちが情報を、意識的に知覚することは、皮質にニューロンの活動の大きな波が、点火の域を超えるような大きさになることによって生じます。
この時意識した情報は、最終的には多くの脳領域を緊密に絡み合った、WEBのような状態へと導いていきます。そしてグローバル・イグニションが起こります。
刺激の発生からおよそ三○○ミリ秒後の、意識した状態が維持されている期間は、情報がボトムアップの形態で前頭葉の脳領域に伝わります。
逆に前頭葉は、トップダウンで、脳の広範な領域に向けて大規模な発進を行ないます。
その結果、互いに同期する領域と連携するような形で、脳のウェブが形成されます。
そしてそれは、下記の意識のしるしを示すのです。
前頭葉と頭頂葉の諸領域に分散する活性化
P3波
ガンマ帯域の増幅
遠隔領域間での大規模な同期
今回は、どうやって脳は無意識から純粋な意識のコードを、区別しているのか?意識に上げるのか?というメカニズムを解明していきたいと思います。
私たちが廊下を歩くとき、変化するイメージが壁から網膜へ入りますが、私たちはそのような視覚的な運動には気づかず、動きのない部屋を知覚しています。
眼球は、一秒間に三~四回素早く動いている。そのため、網膜上でも、視覚野でも、外界のイメージ全体が揺れ動きます。
私たちはこの動きに気づかず、知覚は一定しています。
動く物体を見ているときでさえ、背景が反対方向に横滑りする様子を見たりはしません。
このことから考えると、皮質内でも意識のコードは、同様に安定しているはずです。
内耳の運動センサーと、運動指令(モーションコマンド)に基づく予測のおかげで、私たちの脳は、何らかの方法で自己の運動を引き算し、外界を不変の実体として知覚しているのです。
たとえばテレビの映像は一秒間に50~60回明滅していますが、脳波記録では、リズムは一次視覚皮質にはとらえられており、そこではニューロンが同じ周波数で明滅しています。
しかし、私たちはこの明滅に気づきません。視覚野に入ってくる細かい情報は、意識に到達する前に濾過されているからです。
意識は、入力イメージを劇的に増強したり変形したりすることもありますが、私たちには、拡大鏡をのぞくかのように外界を見るわけではなく、焦点を合わせた顔や文字が、突然拡大して見えたりもしません。
このように、意識は絶え間なく知覚を安定させているのです。
初期段階の視覚の反応には、意識のコードは含まれていません。
脳が知覚のパズルを解き、安定した外界の像を結ぶには、多くの処理が必要です。
神経科学者ロドリゴ・キアン = キローガ、イツァーク・フリード、ラフィ・マラックは、
特定の絵や場所や人物のみに反応し、
意識的知覚が生じた場合にのみ点火するニューロンを発見したのです。
グローバル・イグニションの最中、脳は全体的な興奮状態にあるのではなく、限定されたニューロン群だけが活性化することによって意識の主観的な内容が際立たされるのです。
ほとんどの動物と同じく、人の脳における皮質のニューロンは、「スパイク」と呼ばれる不連続の電気的シグナルを交換します。興奮したニューロンは、通常一秒間に数スパイクを放っています。
各スパイクは、軸索を伝わって、目標に迅速に到達する。
フリードの実験のおかげで、目覚めた患者が日常生活を送っているあいだに、何時間も、場合によっては何日も、特定のニューロンが放つすべてのスパイクを記録できるようになりまた。
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