意識は、太古の昔に進化したのかも?

「意識の研究」(スタニスラス・ドゥアンヌ)を学ぶことは、コーチング理論の理解をさらに深めることができます。

「無意識の書き替え」などにおいて、独自の味をつけていきたいと勉強しています。


この一連のブログ投稿は私の学習ノートです。今回は、無意識、意識に続くテーマ

「意識のしるし」を書いていきます。


無意識に関する記事(41件の目次)は、ここです。

意識に関する記事(12件)は、ここです。

 

前の記事で触れました。


ワークスペースの機能によって、価値ある情報を広い範囲でアクセスできるようにし、脳の種々のシステムに配信します。

原理的には、コンピューターなどの非生物的なハードウェアによってこれらの機能を再現することに、何の障害もないはずです。


しかし今のところ、脳の機能はそれほど簡単にコンピュータによって再現されることは実現していません。


現在のところ、脳の機能を、どうすればコンピューター上に再現できるのかについては、研究の段階です。


コンピューターソフトウェアは一般に、厳密にモジュール化された【機能ごとに細分化された】様式で組織化されています。


すなわち、各ルーチンは特定の入力情報を受け取り、厳密なルールに従って加工し、明確に定義された出力情報を生成します。



特定のワープロソフトだけを取り上げれば、それが一片の文字列など、情報の断片を局所的な形態でしばらく保持する能力を持っています。


しかしコンピューターそれ自身は、それらの情報包括的な意味を持ち、他のプログラムにも公開されるべきものか否かを決定することはできません。


与えられた課題は完璧に遂行しますが、いかに高度な処理能力を備えていても、あるモジュール内で知られている事象は、他のモジュールとは共有できません。


クリップボードのような初歩的なメカニズムを通してのみ、コンピューター・プログラム間で情報を共有できるのです。

しかもその際、人間という、知性を備えた存在が必要になってきます。

脳の皮質はコンピューターとは異なり、一連のモジュール化されたプロセッサーと、柔軟な経路選択システムを持つことで、この問題を解決しているようです。


皮質の多くの部位は、特定のプロセスに特化しています。

たとえばある部位は、顔が網膜に映ったときにのみ反応する、顔の認識に特化したニューロンで構成されています。

また、頭頂葉、および運動皮質の領域は、特定の運動、とそれを実行する身体の部位に関わる機能に特化しています。

さらに抽象的な機能を司る部位は、数、動物、物体、動詞などに関する知識をコード化しています。


ワークスペース理論が正しいとすると、意識はこのようなモジュール性の問題を緩和するために進化したのかもしれません。


グローバル・ニューロナル・ネットワークのおかげで、モジュール化された脳のプロセッサーは、自由に情報を共有できるのです。

この「情報の広域的な共有」が、意識的な状態としての主観的な経験の正体なのです。


進化の過程におけるこのような仕組みの優位性は明白です。

モジュール性が有用なのは、知識のドメインのそれぞれに対して、皮質に独自の調整が求められるからです。


たとえば空間認識のための神経回路は、風景を認識したり、過去のできごとを記憶したりする神経回路とは異なる機能を実行しなければなりません。しかし意思決定は、複数の知識の源泉に基づいてなされるケースが多々あります。





水を求めてただ一頭でサバンナをさまようゾウだとしたら、このゾウが生き延びるためには、近くに水場を見つけられるか否かにかかっています。





目の届かない遠方の場所に移動するという決定は、

  • 心の空間マップなどの利用可能な情報を効率的に活用する能力

  • 目印や経路を見分ける視覚的な認識能力

  • 過去に水場の発見に成功したときのことや、失敗したときのことを思い出す能力

によって下されるしかありません。


意識は、現状が要求する必要性に見合ったすべての知識の源を柔軟に活用するための手段として、太古の昔に進化したのかもしれなません。

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