意識と物質、私たちは何のために意識を獲得したのでしょう

更新日:2月2日

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私は「意識の研究」を勉強することによって、無意識の書き換えの方法などのコーチング理論に加えて、私なりのやり方を考えていきたいと思っています。


この一連のブログ記事は、私の勉強ノートです。

今回は意識に関する最初の記事です。

無意識に関する記事(41件の目次)は、ここにあります。

 

物質と意識の間の因果関係については、次の二つの考え方があり、論争がありました。

  1. 随伴現象説(ずいはんげんしょうせつ、Epiphenomenalism) 『意識は物質の物理的状態に付随しているだけの現象にすぎず、物質にたいして何の因果的作用ももたらさない』

  2. 相互作用説 『意識の世界で起こる反応には、必ずそれに対応する物質的反応が存在する』 (この世で起こる物質的反応の全てにおいて、その場所に何らか意識が生じている かどうかという、逆の意味は有していない。)

荒っぽい表現ですが、意識と物質は関係があるかないかという議論です。


意識はなぜ進化したのか?

意識ある心によってのみ実行できる操作があるのだろうか?


特定の機能の「ために」、各器官が設計され進化したと主張することに意味があるのか否かという点が議論の焦点でした。



ダーウィン以前の時代には、目的論は規範でありました。神の手がすべての事象のデザイナー/隠れた設計者だと見なされていたからです。

フランスの解剖学者ジョルジュ・キュヴィエは、身体の器官の機能を解釈する際、つねに目的論で考えました。

  • 蟹のかぎつめは獲物を捕らえる「ため」

  • 肺は呼吸の「ため」

生物存在の前提条件だという考え方です。


ダーウィンは、設計ではなく自然選択に注目することで、この見方を劇的に変えました。

自然に対する彼の見方は、神的な存在の意図を必要としません。


進化した器官は、それが持つ機能の「ために」設計されているのではなく、

所有者に繁殖時の優位性を与えるにすぎません。


それに対し、反進化論者は、不利な設計の明らかな実例を、ダーウィンの主張に対する反証としてあげて反対しました。


  • クジャクはなぜ、目には鮮やかながら、大きくて扱いにくい尾を備えているのか?

  • アイルランドの絶滅したヘラジカ、オオツノシカ (Megaloceros)はなぜ、三メートル半にも及ぶ、種の絶滅の原因と見なされるほど巨大でかさばる角を持っていたのか?

これらの挑戦にダーウィンは、

クジャクの羽根、ヘラジカ、オオツノシカの大きなツノなどの発達は、

メスの注意を引く競争で、それを持つオスに優位性を与えるという反論をしました。


生物学的な組織が、最初から特定の機能のために設計されていたわけでないことは、そのことからもわかります。


20世紀に入ると、進化論の総合説によって目的論はさらに解体されていきました。


進化と発達に関する最新の見方は、意図的に設計したのではない”設計”という概念を説明しています。


自発的なパターン生成

  • シマウマの縞模様や、メロンの葉脈のような組織化された特徴が、化学反応によって生じることを説明しました。

  • イモガイ類のある種では、不透明な層の下に、色素沈着による洗練された模様がありますが、この模様は化学反応の派生物なのです。

相対生長関係

  • オオツノシカの異常な角の大きさは、その種の相対生長関係によって生じたと考えられています。

  • 生物のサイズの増大は、それに比例して、その生物が持つ器官の大きさの変化を引き起こすことがあります。

  • 身体が増大することによって優位性がもたらされたとしても、それにともなう器官の増大によって優位性がもたらされるとは限りません。


スパンドレル (生物学)

  • オスの乳首は、メスでは有利に機能する乳房を構築するための生物の建築設計 (Bauplan)の、必然的な結果として生じました。

  • スパンドレル という言葉は、生物の構造の副産物として生じ、のちに別の役割のために徴用された (exapted)と考えられる特徴のことを指しています。

意識を含め、人間のあらゆる生物学的、心理学的特徴が、地球上におけるヒトという種の繁栄において、つねにポジティブな役割を果たしてきたとは考えられません。


次回は、「意識は役に立たない」とまで断じていた人たちがいたというお話から、認知科学的な立場で意識を考えて行くことになります。

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