「意識の研究」(スタニスラス・ドゥアンヌ)を学ぶことは、コーチング理論の理解をさらに深めることができます。
「無意識の書き替え」などにおいて、独自の味をつけていきたいと勉強しています。
この一連のブログ投稿は私の学習ノートです。今回は、無意識、意識に続くテーマ
「意識のしるし」を書いていきます。
意識的知覚は、さまざまな結果を産みます。私たちがある事象に気づくときには、無数の可能性があります。言葉や身ぶりを用いて、それについて報告できますし、記憶に蓄えてあとで思い起こすこともできます。
これまで説明してきた実験の確からしさについて、考えてみます。
ターゲットを見ることは、その時点で一連の脳の処理を引き起こします。
ターゲットが見えないことは、脳の諸領域での活動には結びつきません。
何も見なかったというのは、実験が終了した時点でしか判断できません。
時間的な経緯があるので、脳の活動に変化が生じているのではないかとも考えられます。
これを突き止めるための実験では、ターゲットを表示してからマスクを表示するまでの期間を次第に長くなるよう変化増田。
そして各期間で正答率と可視率(被験者がターゲットを見た割合)を記録しました。
期間を横軸、成績および可視率を縦軸とするグラフを描くと、U字カーブを描きました。
正答率を表すカーブがU字を描いたということは、同じ結果を示した期間が二箇あったということになります。
しかし可視率については、この二箇所の期間では異なっていました。
また、可視率の高いほうの期間では前頭前野背外側部に、より強い活性化が認められました。
EEGの記録によれば、およそ250ミリ秒までの、初期段階の脳の活性化は同じでした。
しかし250ミリ秒以降、P3波は意識的トライアルのほうが
無意識的トライアルより、大きくなっていました。
無意識的な刺激は、小規模の陽性の脳波を、後部頭頂皮質に引き起こしただけでした。
それに対して、意識的知覚は左右前頭葉まで、活動の拡大が起こったのでした。
無意識的トライアルでは、脳の活動のなだれが起こりかけてもすぐに消え、広域的なP3活動は生じないということがわかりました。
左右前頭前皮質にまで拡大するP3波が、意識的知覚に特有の神経活動を反映するということです。
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