前回の記事でアジャイルがトヨタと関係がありそうだということを書きました。
アジャイルを活用されていらっしゃる方も含めて大抵の方は、「アジャイルはアメリカ発」
と認識されているのではないかと思います。
「リーン」という言葉はいかがでしょうか?お耳にしたことがありますか?
「リーン生産」はトヨタ生産方式(TPS)を欧米の人たちが、研究してリーン(lean)という名前をつけて、広く世界に広めています。
ご興味のある方は、ぜひこの本をご一読されることをお勧めします。
私はこの著者の酒井崇男さんと、SNSでお知り合いになりお話を伺ったことがありますが、
トヨタの製品開発について。内部の人でもここまで詳しく書けないのではないかと思うほど、全体をよく捉えています。
下記の英文はそれを展開しているLean Enterprise InstituteのTPSを紹介しているページ より抜粋したものです。
Widespread recognition of TPS as the model production system grew rapidly with the publication in 1990 of The Machine That Changed the World, the result of five years of research led by the Massachusetts Institute of Technology. The MIT researchers found that TPS was so much more effective and efficient than traditionalmass production that it represented a completely new paradigm and coined the term lean production to indicate this radically different approach to production.
TPSをご存知の方なら、このHPをご覧いただければお分かりになると思いますが、
TPSの2本柱 JITとにんべんのついた自働化」の絵が、英語になって掲載されています。
英語ですから、にんべんはついていませんが、
書店に並んでいる「トヨタ本」と言っても良いくらいの内容です。
さらに、「リーン生産」(LPS)だけではなく、「リーン開発」(LPD)という分野もあります。
普通に考えれば、TPS⇨LPS、そして( )⇨LPD
( )に入るものは、当然TPD(トヨタ製品開発)となるべきだとは思いませんか?
ところが、彼らにはTPDの情報を獲得する術がなかったということなのです。
そこでTPSの情報だけで、LPDを作ってしまったのです。
したがって、LPDには製品開発の肝心な部分が欠落してしまったのです。
アジャイルはそのLPDから派生したものですから、最も肝心な部分が欠落しております。
私が不審に思った、「バッファーを管理する」という考え方などはその最たる事例です。
アジャイルには、カンバンも出てきますが、”進捗管理の見える化”ツールとなっています。
さらに後日談のようにはなりますが、先ほどご紹介した酒井さんが、
現在リーンの間違っている部分を補正しているようです。
私は現在TPDの考え方を使って、数社の製品開発の改善をお手伝いしております。
アジャイルという言葉を初めて耳にした時には、自分のやっていることとの関連があるとは
まさに考えもしませんでしたが、
情報空間のカイゼンと抽象度を上げて考えてみると、
まさに自分のやっていることに含まれていることが見えてきました。
今後このブログでは、アジャイルのどこが足りないのかを勉強して、
皆さんにお伝えしていきたいと考えています。
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