私たちの身体には、ホメオスタシスと言う、環境が変わっても体温や血圧などの生理的状態を自動調節するはたらきが備わっています。
これは、米国の生理学者キャノンが二〇世紀前半に提唱した機能です
皆さん人間なら誰でも経験している、わかりやすい例をあげます。
暑いと感じた時にきに汗をかく
走ったり、激しい運動をすると、心臓の鼓動が早くなった理、呼吸が速くなる
ホメオスタシスとは「恒常性維持機能」と訳されますが、要するに外の世界に体が同調して、生命の恒常性を維持しようとする機能のことです。
今列挙した2つの事例は、環境などの外からの刺激に対して、常に安定した状態を維持しようとする活動です。言わば、物理的な刺激に対応する反応です。
さらに、次のような事例もあります。
映画で怖いシーンを見ると鳥肌が立つ
暑い日に、部屋に南極の氷山の写真を貼っておくと、見ているだけで涼しく感じる
私たちは、長い歴史のなかで進化するにつれ、脳内に抽象的イメージが映写されたとき、体もそれに反応するようになってきました。
私たちは、ストレスとなりうる外界の環境の変化に対して、常に安定した恒常的状態を保とうとするのです。
ホメオスタシスは、仮想現実に対しても起こるのです。
ホメオスタシスは、生体を生きながらえさせるために、外界とフィードバックして常に自分の情報を更新しています。
催眠術も、ホメオスタシス・フィードバックで説明がつきます。
巷の催眠術師と呼ばれる人たちがどこまで本当に催眠術をかけられるのかは技術のレベルでだいぶ個人差がありますが、かけられる場合は、ホメオスタシス・フィードバックで説明ができるのです。
実は私は、催眠術教室を1回、体験をしたことがあります。
この教室に参加する前は、催眠術というのは、単なるテレビのショウに過ぎないと多寡をくくっていましたが、見事に陥落いたしました。
その教室では、催眠術の掛け方を教えてくれて、生徒同士で数回実践するという時間がありました。半信半疑ですが、生半可な気持ちでは、相手の方に失礼なので、真剣にやってみました。
そうしたら、私にも催眠術をかけることができてしまったのです。
催眠の暗示によって、人に汗をかかせることも可能ですし、自分の指示の通りに相手を動かすこともできました。
これは脳内イメージに、ホメオスタシスの働きで体の感覚が近づいたからなのです。
その意味から言いますと、洗脳もこれと同じです。
ですから、「人間は、ホメオスタシス機能を内蔵している以上、生得的に洗脳の魔の手からは逃れられない」ということができるのです。
それでなくても、テレビなどでは、「洗脳」に近いイメージ操作は、常に行われています。
最近報道されている、ロシアのウクライナ侵攻という戦争についても、殆ど洗脳と言って良いほどの情報操作=認知戦が繰り広げられています。
認知戦については、この書籍「戦争広告代理店」をご一読されることをお薦めします。
今、毎日のように報道されている情報の殆どが、この書籍に書かれているのと同じような方法で作られたシナリオです。
話を、ホメオスタシスに戻します。
ホメオスタシス・フィードバックは、物理的な身体の恒常性の維持のみならず、仮想現実に対しても起こります。また、催眠や洗脳も、ホメオスタシス・フィードバックによって起きていますというお話をしました。
上記の4つの事例のように、相手が意識して感じるようなレベルの出来事だけではありません。
催眠や洗脳のように、無意識レベルにおいても、脳内のイメージに、外界の環境からのホメオスタシス機能が作用したときに、脳の内側のイメージの主導権をどちらが握るかという勝負になってきます。
要するに文字どおり、どちらが「心をつかむ」かなのです。
この空間の制空権を握ったものが、人の心を操るための第1歩を踏み出したということができます。
つまり実際の体の大きさだけでなく、“情報的身体”がより大きいほうに小さいほうが同調していくというのが、法則のようなものであるということができます。
また、ホメオスタシスフィードバックは、全宇宙の中で働いています。
私たちは、その宇宙の中の住人ですので、この力から抜け出すことはできません。
でもご安心ください。皆さんには認知科学コーチングという強い味方がついています。
認知科学コーチングの認定コーチは、全員が、ホメオスタシスフィードバックの効果的な使い方を学んでいます。
秘訣は、
「あなたが心から好きなこと、現状の外側のゴールを見つけて、目指す」
この先は、残念ながら、ブログではお伝えできません。「現状の外側のゴール」というのが、大きなポイントになります。
頑張らなくても良いのです。ゴールが見つかれば、ホメオスタシスフィードバックの力が、ゴールに引っ張り上げてくれます。
今のあなたを現状に縛り付けているものがあります。そこから抜け出すことをお手伝いします。
私は、トヨタ式カイゼンでも、日本の会社を支援して、元気な組織にカイゼンすることをお手伝いしています。トヨタ式では、「カイゼンは現状否定から始まる」と言います。
現状を否定することで、目指す姿が見えてきます。
ゴルフスイングのように、「あなたを取り巻く現状」は、あなた以外の人の方が的確に把握できます。
私も自分のゴルフスイングの「現状」を師匠に治してもらいます。
Comentários