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リーダーのイマジネーションの限界が組織の限界を作る

更新日:2023年4月28日

組織のゴールというものは、誰かが決めるというものではなく、組織自体、あるいは「組織空間に内包」されています。


各メンバーやメンバー間の想いの中にあるということです。

「経営者は社員に企業のゴールを示さなければいけない」という話もしましたが、これは「経営者がゴールを作り出す」という意味ではなく、「コーポレート空間に内包されているゴールをきちんと把握して、わかりやすく表現して、見せてあげる」ということです。  もちろん、これまで述べてきたように、構成員がそのゴールを変えてもかまいませんし、新たにゴールを生み出しても構いません。

『コーポレートコーチング(下)』(苫米地 英人 著)

組織のリーダーはメンバーに目指すべきゴールを示すべきです。

しかし、これは「リーダーがゴールを作り出す」という意味ではなく、 「組織空間に内包」されているゴールをきちんと把握して、わかりやすく表現して、メンバーに見せてあげる」ということです。 やり方としては、メンバーがそのゴールを変えてもかまいませんし、新たにゴールを生み出しても良いのです。

ゴールのビジュアライゼーションをしっかりできるメンバーがたくさんいて、


それらを共有できるようなコミュニケーションが交わされていると、


圧倒的に強力な組織になります。




しかし、忘れてはいけないのは、

「リーダーのイマジネーションの限界が組織の限界を作ってしまう」

ということです。


最も重要なことは「いかにイマジネーションの限界を作らない人材を育てていくか」ということです。


 

ある製造会社のある製品を作っている製造部。


品質が悪く、顧客から怒られっぱなし。

部長さんはこの状況をなんとか変えたい。

何度も「みんなで力を合わせて、品質向上活動をしよう!」

と宣言しても、のれんに腕押し・ぬかに釘



相談を受けた私は、

コーポレート空間に内包されているゴール」を引き出してやれば良いのだと直感しました。


でも、その前にやるべきことがあります。


「リーダーのイマジネーションの限界が組織の限界を作ってしまう」


部長と話をして、自分はどう考えているのか本音を聞き出しました。


苦労をして部長まで上り詰め、「これから少し楽ができる」と考えていたようでした。


部長の気持ちはわかりますが、彼には彼のビジョンを待っているメンバーがいます。

「あなたが、そこでほっとしてしまったら、みんな付いてこないよ」

「現場任せでは、品質は良くならない。まずあなたがどうしたいのか本音で語りかけよう」



QCの親和法というのをご存知でしょうか?

私は関係者を集めてもらい、2時間のセッションを提案しました。


まずセッションの皮切りに、部長から熱い思いをメンバー一人一人に伝わるように、訥々と語りかけました。


そして、関係者一人ひとりが、日頃感じていること、

嬉しいことでも、困ったことでもなんでも良いから、

あらかじめ付箋に書き出して持ってきてもらったものを順番に説明してもらいました。


セッションでは、一人ひとり付箋に書いたことを説明しながら、

模造紙に貼っていきました。


若手の現場のリーダーがこのセッションのキーマンでした。



「先輩からは、”俺の背中をみろ”的な教育を受けて来ました。」


「品質を保つには、一人ひとりのセンスと繊細な注意が重要だと教えられて来ました。」


「最近の若い人には、同じように言っても通じなくて困っています。」





この発言がメンバー、一人一人のマインドに火をつけました。



後から後から、畳みかけるように意見が出てきました。


2時間があっという間の出来事でした。

ベクトルが揃うとは、こういうことなのです。


誰一人、「みんなで力を合わせて、品質向上活動をしよう!」

という部長の呼びかけに背を向ける人がいなくなりました。


一人ひとりの顔に笑顔が、そして目が輝いていました。


「このままではいけない」

「私にできることは何?」

「みんなで力を合わせればなんでもできる!」


まさに、「コーポレート空間に内包されているゴール

をみんなで掘り起こして、共有できた一瞬でした。


この場に居合わせていない方には、臨場感が伝わらないかもしれませんが、

この場で、全員のコレクティブエフィカシー(ゴール達成の能力の組織自らの評価)が最高潮に上がったことを、私は感じました。


みんなそれぞれにゴール達成をやり遂げようという強い意志が芽生えていました。

これが組織として集まって、ベクトルが揃った状態です。


リーダー自らが、スコトーマから逃れて、イマジネーションの限界を突き抜けました。

その気持ちがこのセッションにより、全員に伝わって、全員のイマジネーションが共有されました。


苫米地式コーチングでは、「次世代コーチング」といって、個人だけでなく、日本のあらゆる組織にコーチングを広めていくことに舵を切りました。


「次世代コーチング」とは、カイゼンとコーチングのハイブリッド、


まさにカイゼン+コーチング=KaizenYourFutureです。




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