ミスはどうして起こるのでしょうか?


ミスはどうして起こるのでしょうか?

「たまたま、忙しくてチェックせずに次に送ってしまいました。」

「ルールが有ることを知らなかったのです。あとになって教えてもらいました。」

「これで良いと思いこんでいましたので、疑問を持ちませんでした。」

ある正しい世界があって、そこから外れていることがミスだと言うことができます。

なぜ、正しいことができなかったかがわかれば、カイゼンすることは可能です。

この時に、「人の能力が低いから」、「新入社員だから」、「あの人は不注意な性格だから」などと人のせいにしてしまう事がよくありますが、これでは本当の解決にはなりません。

  • 「能力の低い人」に会社をやめてもらいますか?

  • 能力の低い「新入社員」を雇ったのですか?

  • 「不注意な性格」をどうやって治してもらうのでしょう?


能力が低いとは、そもそも何でしょう?

その仕事をやり遂げるために必要な能力ではないでしょうか。


その仕事を彼に、あるいは新入社員に任せるまえに、その能力を評価しましたか?

そもそも「リソース配分=どの仕事を誰に任せるか」を考えるのは、誰の役割でしょう。


「最初から少しチャレンジングな仕事を与えて、勉強してもらおうと思っていました。」

ということだとしたら、失敗しても本業に影響を与えないような仮の仕事を課題とするか、

そのような工数的に余裕がなければ、ミスをしないようにフォローすることが不可欠です。




「不注意な性格」というような性格があるかどうかはわかりませんが、「人はミスをするもの」なのです。これは、脳科学でわかっていることです。


人はコンピュータのような機械とは違いますから、ミスをします。


人の脳には、RAS(Reticular Activating System:網様体賦活系)というものがあります。


人は、自分にとって関係がないと思っていることに対しては、脳幹にある RASのフィルターが遮断し、自分にとって関係あると思っている情報しか受け取ることができなくなっているのです。


自分に関係があると脳(=無意識)が思うことで、そこに注意が向けられます。


苫米地コーチングでは、「現状の外側にゴールを設定することで、RASが開く」という表現をよく使います。


「親しい友人が新車を購入したので、自分も新車が欲しい」これも一つのゴール設定に近いものです。


このような時に、街を走っている車を見ると、色や形などを始めとした情報が頭の中に飛び込んできます。


逆に、あまり目的もよく理解せず日常流してしまっている仕事では、あなたの無意識はあまり重要と考えていませんので、ミスのないことを確認したつもりでも、見落としてしまうことがよくあります。


ここでRASの説明をし始めると、長くなってしまいます。これまでのブログでも説明していますので、過去の記事をご参照ください。


トヨタ式でも「人はミスをするもの」だと考えて、そのミスを自組織の外に流出させない方策を真剣に考えてカイゼンします。


その方策の代表的なしくみが、「標準作業」という考え方です。

生産現場では、「標準作業」の世界が確立していますので、手本となります。

「標準作業」は、製造現場のような物理空間から、開発設計のような情報空間まで、共通して有効な考え方ですが、対象が異なる分、標準作業の形も異なってきます。


製造現場では、「作業標準書」まさに一挙手一投足まで、作業の順番が細かく規定されています。

設計職場では、「技術標準」などにより、過去から現在までに培われた知見が整理されています。


もし、設計職場で「技術標準」を遵守できなかったようなミスの事例が起こったとき、

「なぜ、技術標準が守られなかったのか?」

ー設計者が技術標準の該当項目についての知識がなかったから

「なぜ、その知識がなかったのか?」

ー設計者が技術標準の項目を知らなかったから

「なぜ、そんな重要な項目を知らなかったのか?」

ー設計の新入社員教育を受講する前に、この仕事を与えてしまったから


「なぜなぜ分析」とはこのように進行します。

設計の新入社員教育では、この項目を約半日掛けて、なぜこのルールができたかという背景まで教育する事になっていました。


しかし、このケースでは、「この仕事を任せてはいけない人(=教育未受講の設計者)に仕事をまかせてしまった。」というように要因分析して、二度とこのような仕事の付与ができないように設計のマネジャーのべからず集に追記して、関係者全員で共有しました。


「標準作業」の世界が成熟していくと、ミスが激減します。


このようなレベルに達すると、

「ミスが起きた?こんなことは初めてだ。我々には初めての課題が見つかった」

そして、この課題が解決できると、この組織には新たな知見が一つ追加されることになります。

このレベルのミスは、組織にとって災でなく、幸いと考えるべきなのです。


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