8月29日(日)に開催されたコーチングフェスタに、私も参加しました。
認定コーチが多数集まり、物凄い空間を味わうことができました。
その中で私は、ある組織のベクトル合わせの事例を紹介しました。
ある製造会社のある製品を作っている製造部。
品質が悪く、顧客から怒られっぱなし。
部長さんはこの状況をなんとか変えたい。
「みんなで力を合わせて、品質向上活動をしよう!」
と宣言しても、のれんに腕押し・ぬかに釘。
相談を受けた私は、苫米地博士の書籍のある1節を思い出しました。
「コーポレート空間に内包されているゴール」
この文言を読んだときには少し意味がわからなかったのですが、
分からないので、逆に頭に引っかかっていたのです。
「経営者は社員に企業のゴールを示さなければいけない」という話もしましたが、これは「経営者がゴールを作り出す」という意味ではなく、「コーポレート空間に内包されているゴールをきちんと把握して、わかりやすく表現して、見せてあげる」ということです。 もちろん、これまで述べてきたように、構成員がそのゴールを変えてもかまいませんし、新たにゴールを生み出しても構いません。
『コーポレートコーチング(下)』(苫米地 英人 著)
QCの親和法というのをご存知でしょうか?
私は関係者を集めてもらい、2時間のセッションを提案しました。
関係者一人ひとりが、日頃感じていること、
嬉しいことでも、困ったことでもなんでも良いから、
あらかじめ付箋に書き出しておいてもらいました。
セッションでは、一人ひとり付箋に書いたことを説明しながら、
模造紙に貼っていきました。
このようなときには必ずキーマンとなる人がいます。
この時は、若手の現場のリーダーでした。
「先輩からは、”俺の背中をみろ”的な教育を受けて来ました。」
「品質を保つには、一人ひとりのセンスと繊細な注意が重要だと教えられて来ました。」
「最近の若い人には、同じように言っても通じなくて困っています。」

この発言の中に品質問題の核心がありました。
この言葉が参加者全員の心に眠っていた問題意識に、火をつけたのです。
後から後から、畳みかけるように意見が出てきました。
2時間があっという間の出来事でした。
ベクトルが揃うとは、こういうことなのです。
誰一人、「みんなで力を合わせて、品質向上活動をしよう!」
という部長の呼びかけに背を向ける人がいなくなりました。
一人ひとりの顔に笑顔が、そして目が輝いていました。
まさに、「コーポレート空間に内包されているゴール」
をみんなで掘り起こして、共有できた一瞬でした。
これから多少辛いことがあっても、みんなで乗り越えて行くことができる
力が湧き上がってきたことを感じることができた瞬間でした。
カイゼンは楽しい!
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