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トヨタの問題解決とコーチングの共通点

執筆者の写真: Hatsuo YamadaHatsuo Yamada

更新日:2022年5月29日

今回は別の視点から見てみたいと思います。


トヨタの問題解決ではなく、一般的なコンサルタントの問題解決について、名和高司さんの著作『コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法』よりいくつか参考になる文章をお借りしたいと思います。


いくつかポイントとなる文章を抜粋させていただきます。

  • コンサルの用いる問題解決の基本技は、意外なほど共通している。

  • MECE(ミーシー)に分ける、

  • ロジックツリーにする、

  • 「WHY?」を五回など、基本はすべて同じだ。」

*「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「モレなく、ダブりなく」という意味です。


そして、下のような問題解決のステップを上げていらっしゃいます。

ステップ1 問題を定義する

ステップ2 問題を構造化する

ステップ3 優先度をつける

ステップ4 分析方法を設定する

ステップ5 分析を実施する

ステップ6 発見内容を統合する

ステップ7 問題解決法を提言する


トヨタの問題解決8ステップは、下記の通りです。太字にした部分がトヨタの特徴的なところかと思います。

Step1 問題を明確にする

Step2 その問題をブレークダウンする

Step3 達成目標を決める

Step4 真因を考え抜く

Steo5 対策を立てる

Step6 対策をやり抜く

Step7 結果とプロセスを評価する

Step8 成果を定着させる


名和さんは「企業の「本当の課題」の在りかをえぐり出すことがコンサル前半の勝負である、という点だ。

このうち、もっとも重要なのは、  ステップ1 問題を定義する  ステップ2 問題を構造化する という

最初の二つのステップだ。つまり、結局、何が本質的な問題なのかをきっちりと見極める「課題設定」である。

これがうまくいくと、問題解決全体の五〇%はできたことになるとされる。」

と述べておられます。

ーーここは私も全く同感です。


さらに「トヨタの人は、褒められると怒る。褒められると成長の余地がなくなるからだという。

世の中の手本だと言われても、うれしくない。それより、自分たちにとっての次の手本を見つけようとする。

つねに、何ができていないか、なぜできていないのかを見極め続けるのが、トヨタらしい成長の作法なのだ。」


これを読ませていただいて、「褒められると怒る」人はそれほどいないと思いますが、赤字にした部分「何ができていないか、なぜできていないのかを見極め続ける」が重要です。



本当の課題を導き出す「Step1 問題を明確にする」のところで、あるべき姿という理想の姿を常に思い描くところから始まるからだと思います。




TQMはもともと「会社のあるべき姿」と「現状」のギャップを埋めていく活動で、トヨタの問題解決もTQMに基づいているからなのです。


あるべき姿を最初に描くところは、コーチングでゴールを設定するところから始めるのと共通しています。


「現状の外側にゴール(=あるべき姿)を設定して、ゴールを目指して進んでいく」これはまさに問題解決の手法そのものです。



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