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執筆者の写真Hatsuo Yamada

サブリミナルイメージ:「マスク」の具体的な方法

更新日:2022年5月29日

(認知科学)コーチングでは、無意識を書き換えることがゴール達成の有力な手段です。

私は「意識の研究」を勉強することによって、無意識の書き換えの方法などのコーチング理論に加えて、私なりのやり方を考えていきたいと思っています。


この一連のブログ記事は、私の勉強ノートです。

 

下の絵は、「radio」という単語イメージを「マスク」する方法を示しています。

「radio」という単語を、およそ映画の一コマ分に相当する33ミリ秒間フラッシュしたとします。


「radio」という単語を見えなくするのは、「マスキング」と呼ばれる錯視です。


「radio」の表示前・後に、同じ位置に図形を表示させることでこの様な効果が現れます。


タイミングをうまく調節すると、観察者にはちらちらするパターンしか見えなくなり、

前後の図形にはさまれた単語はまったく見えなくなります。


一連の無作為の図形が表示されるなかでフラッシュされた「radio」という単語は、

被験者には見ることができません。


実際二つのマスクのあいだにはまったく何も表示されていないかのように見えるのです。


光電セル 〔光や他の放射線を検出し、計測するための変換器)を用いると、

単語は実際に表示されていることが明白なのですが、


それが見えなくなるということは、主観的な現象だということが確認できます。


また十分に長く表示させると、単語は見える様になります。

  • 識閾下(闘値より下)・・・40ミリ秒間の表示では見えない

  • 識閾上(闘値より上)・・・60ミリ秒になると見える


閾値は人によって多少異なるとはいえ、つねに50ミリ秒前後の値となります。

閾値近辺では、見えるか見えないかは、およそ半分の確率です。


意識を意のままに調節するために活用できるマスキング技法は、数種類あります。


笑っている顔や怒った顔の画像だと、被験者には意識的に認知できません。

ラッシュされた顔は、それが強い情動を表現するものでも、無作為な画像ではさむことで無意識に留められます。

この例では、マスクと最後の顔だけが見えます。


個人的な情動に関する知覚を調査することもできます。

マスキングの他のバリエーションに、一連の図形をフラッシュし、それらのうちの一つを長期間表示される4つの点で囲むという方法です。



4つの点で囲まれた図形のみが意識にのぼらず、他の図形ははっきりと見えます。


4つの点は図形より長く表示されるので、それらとそれらによって取り囲まれる空間は、

その位置にある図形を置き換えて消し去ってしまうようです。・・この方法は「置き換えマスキング」と呼ばれています。


マスキングは、実験パラメーターの完全なコントロールが可能で、しかも時間的に高い精度をもって視覚情報を与えられるので、無意識の視覚刺激の成り行きを研究する際の格好の実験ツールになります。


最良の条件は、一つのターゲットイメージをフラッシュし、それから一つのマスクを表示させることだということがわかっています。


正確なタイミングで、被験者の脳に、精緻にコントロールされた量の視覚情報(単語など)を「注入」します。


後続のマスクを取り除くと、被験者はつねにターゲットイメージを見ることができる様になります。


逆にいうと、マスクされていると、先行するターゲットイメージはマスクに抑制されてしまうのです。


ということは、脳内で奇妙な競争が起こっているはずです。


単語のほうが先に脳に入ってきたにもかかわらず、後続のマスクがそれに追いついて、前者を意識的知覚から締め出したと見ることができるからです。





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