今回もゴルフの話題ですが、コーチングの重要なポイントを織り込みましたので、お見逃しなく。
私は最近素晴らしいゴルフ仲間に囲まれて、楽しいゴルフを続けています。
73歳のKさんとは、今年の春先に相模コースでご一緒させていただき、その時にKさんのゴルフに対する向き合い方に接し、彼のことが忘れられない存在になりました。
Kさんの方も私の悶絶クラブに興味を持たれたそうです。
私のふにゃふにゃシャフトのしなりに驚き、それにもかかわらず、私がそこそこ悶絶クラブを使いこなしていることにお気づきになったようです。
それから、八千代コースでもご一緒させていただき、今では10ラウンドくらい一緒に楽しませてもらっています。
Kさんは「今日は、山田さんと一緒でよかった。」とゴルフ場の売店の方や、キャディさんにも仰ってくれるようです。
「先日Kさんが、山田さんと一緒でよかったとおっしゃっていましたよ。」と彼女らからフィードバックをもらえることもあります。
本当に嬉しいことです。クラブライフの醍醐味です。
さてKさんは今年73歳になられましたが、誕生日の1週間前にも一緒にラウンドをしました。
その時、18番ホールで、Kさんはボギーとなって、73ストローク。
残念ながら、エージシュートには1ストローク及びませんでした。
しかし、数ヶ月後にまたご一緒した時には、71ストローク。私の眼のまえで、アンダーでエージシュートを達成されています。
エージシュートは実力のある方にとっては、特別なものではなく、当たり前のように何度も達成されている方も数多くいらっしゃいます。
私も来月で、66なのでバランスホイールのゴールの一つとして、設定しています。
普通ゴールは他言しないことになっていますが、私の場合「エージシュートがゴールです」
と言っても、「あっそー、勝手にやれば」くらいの反応しか返ってきませんので、ドリームキラーの心配をする必要はありません。
この年になると、ドリームキラーなんか関係ありません。
コーチングでは、特に若い人に「ゴールは他言しない」と勧めています。
これは、現状の外側のゴールを周囲の人に伝えると、
「そんなことできるわけはない。」「悪いこと言わないから、やめときなさい。」
などと、ネガティブな返事が返ってきて、夢を潰されてしまうことがあるからです。
ジャンボの愛称で有名な日本プロゴルフ界の第一人者、尾崎将司さんは、レギュラーツアーの試合の中で、2度もエージシュートを達成しています。
史上初 66歳「62」 年齢以下のスコア「エージシュート」 2013年「つるやオープン」第1ラウンドで「62」
史上2回目 のエージシュート HONMA TOURWORLD CUP 2日目「70」
2回目の時に記者会見場では、手をたたいて迎える一同に「何の拍手だ?」。欲しいのはレギュラーツアーの勝利であって「エージシュートを目指してたわけじゃない」。それでも「努力の成果だよ」。
尾崎 将司(おざき・まさし)徳島・海南高のエースとして1964年の選抜大会で優勝し西鉄(現西武)入り。70年にプロゴルファーに転じ、翌年の日本プロ選手権で初優勝。ツアー制が導入された73年から賞金王12回。生涯獲得賞金約26億9千万円は歴代トップ。2010年ゴルフの世界殿堂入り。実弟の健夫、直道もプロゴルファー。181センチ、90キロ。
現状の外側へのゴール設定とゴール達成に向けた努力
このジャンボさんの努力について、YouTubeで、興味深い動画を見つけました。
この動画を見て、コーチングの観点から強さの秘密を分析してみたいと思います。
ジャンボさんは、徳島・海南高のエースとして1964年の選抜大会で優勝甲子園の優勝ピッチャーであったわけなのですが、あまり野球は好きでなかったようです。
野球なら練習しなくても、甲子園の優勝投手になってしまうほどの実力の持ち主でした。
一般的には、甲子園の優勝投手どころか、「甲子園に出ること」をゴールにすることが多いと思いますが、コーチングでは、もっと先の現状の外側にゴールを設定しましょうと進めます。
「甲子園に出ること」や「プロ野球で、No.1」などをエンドステイと問います。途中経過です。
しかし、コーチングではその次の人生のゴールを探すことをお勧めします。
ジャンボさんの場合は、西鉄に入団した後に、「ゴルフでNo.1」になることをゴール設定しました。
まさに当時の現状の外側のゴールです。
「ゴルフに転向して、もう本当にこれ以外には進むべき道はないと思ったくらい、衝撃的な出会いだった。」と動画の中で話しています。
さらに、
ゴルフに転向して、「あっ、努力ってのはこういうことなんだな」と初めて思ったと話しています。
逆に野球では、全然やる気が出なかったそうです。
横田さんの思い出が続きます。
ジャンボ邸での練習のお休みの日に、横田さんが(お休みなので)昼過ぎにジャンボ邸に行ってみました。
小雨が降っている中、すでにジャンボさんが黙々と練習をしていて、800球ほどのボールがフィールドに落ちていたそうです。
ここからが、ジャンボさんの努力についてのお話です。
負けた人間は色々なことを学ぶことができると言うが、俺は勝っても飛行機の中で、1ラウンドを振り返るんだよ。必ず自分が納得のいかない球(ストローク)が、10発はあるんだ。
ラウンドで打つ数は70。30発はパッティングだから、大体40発(がスイング)で、そのうち10発は納得がいかない球がある。
40発。そのうち10発は納得がいかないが、30発は良いショットが打てている。つまり7割5部ほどの数字は残せている。
あの頃は、7割5部くらいの状態でゴルフをしていれば、いつでも勝つことができていた。
ミスショットの分析
「しかし、10発はミスなんだよ。要するに、ミスの分析をするわけだよ。」
ジャンボ流のミスの分析手法=ミスの原因を体・技・心のどれにあたるかで分析する。
心・技・対の順番が一般的ですが、体が一番大切だと考えているようです。
例えば、
体:後半になって足が疲れてきて、腰の周りが悪くなった?
技:フェードボールを打とうとした時に、フェードがかかりきらなかった?フェードの練習をもっとやらなければならない。
心:一番最後にくるのだが、あの時ちょっとプレッシャーを感じたのかな?
ーこの分析は、なぜなぜ分析にも通じるものです。分析により、原因を明確にして、練習方法を考える。
「このように飛行機で分析していると、やるべきことが煮詰まってくるんだよ。
そうすると、居ても立っても居られないモンだから、それを家に帰ってすぐに修正にかかるんだ。」
自分が本当にやりたいことをゴールに設定したら、そのために努力します。それは苦行ではなく、ゴールに近づく感覚を感じながらの努力なのです。
プレッシャーに打ち勝つためにやっていたこと=アファメーション
ある人に「あなたには、不動明王が後ろについているから、不動明王の御真言を唱えなさい」と言われた。
真言とは、「ノウマク・サンマンダバザラダン・カン」
出自を怨み、己の不運を他人の責任にし、社会を呪いし者、地獄よりの使者に魅入られ、怨霊に。 誰と出会うかで、人生は良きようにも悪しきようにもなりうる。 選択権は、他の誰でもない、自分にある。
「苦しくなった時に、真言を唱えて、自分の背後に不動明王がいることをリアルに想像するんだよ。」
その結果。「お前、自分がやらなけりゃ、誰がやるんだ?」という言葉しか俺には聞こえないんだ。
横田さんは、若い頃ジャンボさんに、宮本武蔵の言葉「神仏は尊びて、神仏を頼らず」を教えてもらった。
「自分で切り開いていくしかないからね。」
高いエフィカシイ(ゴール達成に向けた自己脳直の自己評価)
「慢心かもわからないし、自信かもわからないが、あの頃は、試合に負けるとは思わなかった。自分を信じる。自分の力を蓄積していく」
まさに、自分が好きなゴルフでNo.1になることを現状の外側にゴール設定にして、そのためにやるべきことを、初めて努力と感じたくらい取り組んだということです。
ただ闇雲に練習するのではなく、ミスの分析手法まで自分流で考案して、技を磨く。
そして、なんと言ってもゴールは確実に達成できるという、自信=エフィカシーを持ち続けたlことが、ジャンボさんの強さの秘密でした。
スランプになった時には、色々と周囲から叩かれたそうです。
そのような時には、エフィカシーの中から出てきた言葉もただの「大言壮語」として揶揄されてしまったことでしょう。
それでもジャンボさんは、社会のドリームキラーからの影響を跳ね返し、2010年にはゴルフの世界殿堂入りを果たし、世界の一流ゴルファーとなっています。
この記事には、コーチングのポイントがふんだんに入っています。
ぜひ、ポイントを見落とさないように読んでください。
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