「意識の研究」を学ぶことで、自分なりの無意識の書き替えなどのコーチング理論について考えたいと思います。
この一連のブログ投稿は私の学習ノートです。
どなたでも私たちの会話は、ゴシップ記事なんていう低俗なものではないと思っていいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、ゴシップはかなりの頻度で、会話の中心を占めていることも否定できません。
ゴシップの頻度が多くなることも含めて、私たちが会話を通して重視している事についての、イランの心理学者バハドル・バーラミの実験があります。
彼は、被験者をペアにして単純な知覚課題を与えました。
各トライアルで、被験者ペアは二度画面を見て、一度目、二度目どちらの画面に識閾近辺で表示されたイメージがあったかを答える実験です。
その際、最初はペアのおのおのが別々に答えました。
そのあと、一致していなかった場合には、二人で素早く議論して意見を一致させるよう被験者から促されました。
各トライアルでは、二人の被験者は一組のペアとして、つねに一つの答えを出す必要があります。
実験の結果は、二人の被験者の能力が接近していると、正確さはかなり向上しました。
この発見は、「三人寄れば文殊の知恵」を例証するものと思います。
バーラミの実験方法の利点は、数学的にモデル化できるところにあります。
複数の脳による判断に関する最適化の規則は、一つの脳における、ものとまったく同じでした。
人は、自分が見ているものの細かなニュアンスを伝達するのではなく、確信の度合いの判断も含めて、分類整理された答えを相手に伝えます。
優秀な成績を残したペアは、自発的にこの戦略を採用していることがわかりました。
彼らは、
「確実に言えることだが (certain)」
「確信はほとんどないが(very unsure)」
「推測にすぎないが (just guessing)」などといった言い回しを使うことで、
確信の度合いも伝え合っていたのです。
確信の度合いを数値によって測る尺度を考案する被験者さえいました。
確信の度合いを共有する手段を用いることで、
ペアの成績は飛躍的に向上し、最高位になりました。
バーラミの実験は、意識の働きにおいて、確信の度合いの判断が重要な役割を果たすことを説明しています。
意識的な思考が自分や他者にとって有益なものになるには、そのそれぞれに、確信の度合いを示す印をつける必要があります。
私たちは、何かを知っていることを知っている、あるいは知らないことを知っているということを伝えるだけではありません。一片の情報を意識するときには、それに確実さ、もしくは不確実さの度合いを付け加えることができます。
また、社会的側面に関して言えば、私たちはつねに、誰が誰に何を言ったか、そしてその言葉は正しかったかに留意しつつ、情報源の信頼度をチェックしようとしています。
ゴシップが、会話の中心を占めるのは上記の理由からなのです。
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