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執筆者の写真Hatsuo Yamada

コーチングのベースとなる認知科学

認知科学とは、心理学、神経科学、言語学、哲学、コンピューターサイエンス、人類学など、心を理解しようとする学際的な分野のことです。


苫米地式コーチングは、認知科学をベースとしており、心、脳、マインドは同じ意味だとする立場に立っています。


苫米地博士は、カーネギーメロン大学のフェローとして今も活躍されており、幅広い研究の成果を、ルータイスというアメリカの伝説のコーチと共に、コーチングを広めてきました。


ルータイスは、世界各国の大統領などをはじめ、アイルランド紛争の現場まで出向いて、紛争を収束させたという伝説の持ち主です。



ルータイスのタイス式コーチングに苫米地博士が参加して、認知科学の知見を入れ、現在のコーチングが出来上がりました。


苫米地博士は、タイスの後継者として、タイス式コーチングのリーダーとなっています。


私は、苫米地式とタイス式の認定をいただいております。


認知科学は、人間やその他の生物が学習や問題解決を行うときの心理や、そのプロセスを研究します。


認知科学は心理学と関係がありますが、心理学は科学的ではないと考えられていますので、「脳」、「神経」という言葉を使うことが多いのではないかと思います。


神経科学は、fMRIで脳をスキャンし、本を読むなど、特定の行為によって脳のどの部分が発火するかが研究されています。この研究の成果は、認知科学でも取り入れている場合もあります。

fMRIで脳をスキャンして脳の発火する状態を観察する方法はかなり進歩していますが、、それを一般化して学習に適用できるほどにはなってないのが現状ではないかと思います。


現状科学的学習方法と称されることは、主に認知科学の成果によるものです。


認知科学は学際的な学問ですので、研究者がどこに軸足を置いているかで、少し温度差があると思います。





私は初め、認知科学の中に哲学が入っていることに違和感を覚えました。私のイメージしていた哲学は、下記のような世界でしたので、脳の科学との関係があるとは思えませんでした。

  • カントの直観のア・プリオリな形式、主体、

  • ヘーゲルが提唱した絶対精神、意識の基礎的な瞬間、現象、エネルギー、経験、感覚、言語、実証可能な仮説、科学的与件、反証可能な理論

  • ハイデッガーの己の存在自体を問題とする「現存在」の実存、解釈学世界は「関係」でできている 美しくも過激な量…的循環、構造


しかし、最近の哲学では数学を使って、数式で説明するなど、このイメージとは様変わりしているようです。


私はまだ、哲学がどう変化してきたかということまで勉強していませんが、興味のある分野です。


認知科学とコンピュータサイエンスとの関係は、人工知能の研究が認知科学に大きく貢献しているということも忘れてはいけないと思います。


人間の脳を機械に置き換えるという試みは、古来の多くの学者が研究してきたテーマで、AIの研究で大きく前進したようです。


1970年頃から、さまざまなアルゴリズムが作られてきましたが、ハードウエアの大容量・高速化により、画像処理やビッグデータの活用として、実用化されるようになってきました。


AIという言葉をよく耳にするようになってきましたが、画像処理やビッグデータの活用などのことをAIと言っているだけで、まだ本当の人口の脳はできていません。


しかし、オバマ大統領の時代に、脳の構造~機能~情報処理機構の全容解明をするために、発足した、ブレイン・イニシアチブという、アメリカ合衆国における脳の大規模脳研究が行われています。


ブレイン・イニシアチブのホームページを除いてみると、興味深い研究が紹介されています。(英語ですが、私は翻訳ソフトを使って、読んでいます。正確ではありませんが、概要は理解できます。)





最後に、学ぶことについての脳の仕組みについてご紹介したいと思います。


John J. Medina氏は、人間の脳の発達と精神障害の遺伝学に関与する遺伝子の分離と特性評価に特別な研究を行っている発達分子生物学者です。


彼は、『ブレイン・ルール』として、一般人向けに脳の仕組みをわかりやすく整理していますので、ご紹介します。


人が職場で学び、仕事をする方法に影響を与える5つのブレイン・ルール

  1. すべての脳は、配線がそれぞれに異なる

    1. 人の脳の物理的配線は、何かを行ったり学んだりするにつれ絶えず変化しています。全く同じ脳を持った人は2人といません。個々の学習者、個々の従業員、個々の顧客の脳は、それぞれに配線が異なります。

  2. 人は退屈なものに注意を払わない

    1. 人は、自分の以前の経験に基づいて、何に注意を払うべきかを予想しています。人は特に、感情や脅威、今までに見たことのないものには注意を払うようにできています。

    2. 脳はマルチタスクを行うことができませんが、メール、電話、テキストメッセージなど、今の職場にはマルチタスクを助長するような要素があふれています。

  3. 憶は薄れやすく、記憶を定着させるには繰り返しが必要

    1. 人の脳が短期的に保持することのできる情報はごく限られています。長期的に記憶するには、その情報を何度も繰り返す必要があります。何かを記憶したい場合には、それに関連する情報を心の中で繰り返します(たとえば、人の名前を覚えたいときには、その名前だけでなく、服の色などについても考える)。

  4. 人は長期的ストレスに耐えられない

    1. 人の脳は、30秒程度のストレスにしか耐えることができません。ストレスがそれ以上続くと、認知活動、運動機能、免疫機能などに悪影響を与えます。だから仕事で経験するストレスは、仕事のパフォーマンスに影響します。

  5. 人は、絶えず学び、探求するようにできている

    1. 人の探求意欲がなくなることはありません。特に乳幼児は、環境に対して受動的に反応するのではなく、観察し、仮説を立て、実験し、結論を出すという活発な試行を行っています。

    2. このような探索的行動は、職場で高く評価される能力でもあります。利益を生むアイデアを一貫して思いつくようなビジョナリーは、以下のような特性(イノベーターのDNA)を備えています。これらに共通しているのは「探求欲」です。

      1. 並外れた関連付け能力があり、普通の人には思いつかないようなつながりを見出すことができる。

      2. 「もし~だったら?」、「なぜ~ではいけないのか?」、「なぜこの方法でやっているのか?」といった疑問を絶えず習慣的に考えている。

      3. あれこれと試し、実験したいという飽くことのない欲求を持っている。

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