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いくら「やる気を出せ」と言っても、モチベーションは向上しません。

日経新聞2022年7月4日の記事に、「社員の働きがい、役員賞与に反映」という記事が掲載されていました。


パナソニックホールディングス(HD)の自動車部品を手掛ける子会社、パナソニックオートモーティブシステムズ(PAS)は従業員約6千人のエンゲージメント(働きがい)が大きく改善すると、執行役員の年間賞与が増える制度を導入する。働きがいが悪化すると賞与は減る。経営幹部に働きがいを強く意識させ、従業員満足度の向上や業績改善につなげる。


2023年3月期から導入し、23年夏からの支給分で適用する。年間賞与は働きがいの改善度合いにより、百数十万円の範囲で変わる。米国法人トップを除き、社長を含む13人の執行役員が対象となる。


年間賞与の評価項目に、業績連動や個人の成果反映に加えて、従業員の働きがいの改善を加える。年間賞与の10~15%について、働きがいの改善度合いを反映させる。


働きがいの改善は、国内約6千人の従業員を対象に実施するアンケートをもとに測る。「個人の価値が生かされているか」といった働きがいに関する約10問について、従業員は「そう思う」や「そうは思わない」などを選ぶ。前年度のアンケート結果と比べて、改善や悪化を5段階で評価する。


執行役員が管掌している部署で、働きがいが改善していれば賞与の支給額を増やす。変化がなかったり、悪化したりすれば減らす。年間支給額の差は百数十万円になる場合もある。執行役員が職場の働きがいを改善し続ける動機にする



モチベーションは、行動の源に関する言葉です。


モチベーションには、建設的モチベーション (constructive motivation)と制限的モチベーション(restrictive motivation)の二つがあります。


前者は、「〜したい」「〜が好きだ」というポジティブな気持ちに基づいていますが、

後者は、「〜やらなくてはならない」「〜やってはいけない」というネガティブな気持ちに基づいています。


コーチングでは、「ゴール達成のために本当のWant toだけをやりましょう」と言っています。


本当のwant toとは、一切の見返りを求めず、純粋に行為そのものを楽しみ、好きになることです。


ゴールを達成する上で、「したい=want to」という思考ほど重要なものはありません。


本当のwant toを見つけることができれば、自分の情動や社会的洗脳などの制約から自由になり、脳の機能が活性化してきます。


ワクワクするような感覚に襲われることも珍しくありません。


「したい=want to」という意識は、脳の機能を活性化させ、強烈な創造力を生み出します。


そして、結果的に現状を抜け出して目的地に主体的に向かうことになるのです。


高いパフォーマンスはコンフォート・ゾーンにいるときに生まれます。 コンフォート・ゾーンの内にある事柄は、おのずと“want to”の対象になり、自然にかつ生得的に高いパフォーマンスが得られます。


そこでは、あなたの創造的無意識は、問題を解決するための新しい方法を見つけてくれます。


制限的モチベーションは、その人の自尊心(self-esteem)を削り取り、自らの力で立ち上がり、選択し、行動するという人間に自然に備わっている力を損なわせる、極めて破壊的なものなのです。


制限的なモチベーションに基づいてしか行動をとれない人の多くは、親や学校の先生から、そのようにしつけられたようです。


「算数の勉強をしなキャダメ!良い学校に入れないわよ。」

「お化けが出るぞー!」


「遅刻をするな!遅刻したら、罰として、廊下に立たせるぞ。」

最近では、ここまでやる先生はいないと思いますが、このようなことを言う先生は後を絶ちません。


このようなことを繰り返し刷り込まれたことで、大人になっても、「ねばならない、さもないと報いが起こる」と言うようなブリーフシステムが頭の中に出来上がってしまうのです。


これらは恐怖に基づく脅しです。




加害者は、親や先生だけではなく、メディア、上司、社会、あるいはつくられた常識といった、ありとあらゆる情報が、我々を制限的モチベーションの中に落とし込んできます。


大人になっても、継続的に外界からこのような刷り込みがなされるのです。


先ほどの日経新聞の記事の会社の役員の方々も、この加害者になってしまう可能性が高いので、十分ご注意されると良いでしょう。


「マネジャーは、どうやったら部下にやる気を起こさせるか。」と言うことばには、何かを他人に(強制)させるというような含みを持っています。


しかし、本当に強制して、人にやる気を起こさせることができるのでしょうか。


モチベーションは人間の心の内部から発するものです。したがって、マネジャーにできることは、もともと動機づけのある人が活躍できる環境をつくることだけではないでしょうか。


まずは、その第一歩として、部下の行動の源泉が、建設的モチベーションに基づくものか、それとも、制限的モチベーションに基づくものか、観察してみることをお勧めします。


本来のモチベーションは、外部から与えられるものではなく、自発的に起こるものです。これは、自分自身が価値をおいている対象に向かう「○○したい」という意思によって生まれるものです。


半ば強制的に、部下に「やる気を出せ」と言っても、部下の心に反発を起こすきっかけを与えることになってしまいます。


これを創造的回避といい、実は、セルフ・エスティーム(自己評価)が高く内面的に充実している人ほど、より強く創造的回避が起こるということがわかっています。


気をつけなければならないのは、創造的無意識の存在です。


創造的無意識は、私たちの生命を守るために安全な状態を維持しようとします。


安全な状態とは「現状のコンフォートゾーン」で、ホメオスタシスの働きにより、創造的無意識が、私たちに現状を変えさせないように働きかけるのです。


セルフ・エスティームから考えても、モチベーションから考えても、「ねばならないこと」はあなたに何ら良い影響を及ぼさないのです。


高いパフォーマンスは、人がコンフォート・ゾーンにいるときに生まれます。


コンフォート・ゾーンの内にある事柄は、おのずと“want to”の対象になり、自然にかつ生得的に高いパフォーマンスが得られます。


そこでは、あなたの創造的無意識は、問題を解決するための新しい方法を見つけてくれます。


逆にいえば、コンフォート・ゾーンにいる人は、当たり前のことのように高いパフォーマンスが出てくるのです。そのとき何か問題が生じたとしても、創造的無意識が勝手に解決してくれます。


組織では、組織メンバーそれぞれが持っている、Want toのゴールを包摂するような、全体のゴールを全員で共有することが解決策です。


こうすることで、メンバーは現状のそれぞれのコンフォートゾーンから、ゴール側の共有されたコンフォートゾーンに移動し、解決策を自主的に考え出すようになります。


実は、モチベーションはコンフォートゾーンを移動させる力

のことを言います。


いくら「やる気を出せ」と言ってもこの力は生まれようがありません。


ある組織が、品質問題で親会社から怒られて怒られて、大きな壁にぶち当たっていたときに、全員で真剣に議論をして、ゴールを共有したことで、「標準作業の仕組み」を確立した事例を紹介します。


下記の記事に詳しく書いてあります。(記事の中には、さらに関連記事を紹介しています)


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