現在までトヨタは毎年利益を上げています。
トヨタ生産方式(TPS)は、マスコミに「お家芸」と言われるほど、原価低減の力は圧倒的なものがあります。
本当に圧倒的な力であるとしたら、何十年もくrまをつくりつづけていたら、いつか原価はゼロになっているはずです。でも、依然として原価は発生しています。
このブログでも何度か説明していますが、
「利益」=「売上」ー「原価」
これを冷静に考えてみれば、原価低減だけで利益を上げ続けることは、困難であることはすぐにわかります。
ものづくりが下手な会社があったとしましょう。
部品が間に合わない
間違った部品が納入されて
再手配している
加工ミスがなくならない
設備が故障ばかりしている
こんな状態では、適正な原価でものづくりができているとは言えません。
こういう会社は、TPSを導入してカイゼンを進めれば、原価が下がった分だけ利益に回ってきますので、改善活動による利益増を享受することができます。
もし理想に近い上記のような問題がほとんど発生していない、理想的な原価でものづくりができている会社があったとします。
その会社の製造リードタイムを細かく分析してみて、プロセスの中身の付加価値を上げていない作業を見つけて、それをカイゼンでなくしてい苦ことで、さらに原価は下がります。
TPSでカイゼンを続けている会社でも、上記のようにリードタイムの中身ある付加価値のない作業をとることで、利益に結びつきます。
ですから、トヨタの製造現場では「カイゼンに終わりはない」と言って、日夜カイゼンに取り組んでいるのです。
それでも、原価低減による利益創出には、限界があります。
利益を上げるためには、「売上」を増やしていく努力が不可欠です。
お客様に受け入れていただける商品をリーズナブルな価格で提供するという考えが根本にあるために、たえず良いものを提供し続ける必要があるのです。
現在私は、ある会社に上記の考え方に基づいた
「原価企画」活動をインストールしています。
リーダーを明確にして、関係者の是認参加による推進体制を明確にします。
お客様の満足を明確にし、どれくらいの量を購入していただけるのか、価格はいくらなら購入していただけるのかを調査します。
そして、月に何台をいくらで買っていただいた時に、会社が存続するために必要な利益を決めます。
すると、原価をいくらにしないといけないかが、下の公式より算出されます。
「原価」=『売価」ー「利益」
製品開発にとって、最初にこの原価目標を決めることが最も重要です。
新製品開発の時だから、思い切って構造まで手を入れることができます。
開発の終盤になって、「これじゃ儲からないから、原価低減活動をやろう」と言ってももう手遅れです。
実際、この活動を始めると製品開発での「やるべきこと」が見えてきます。
関係者が連携する必要も見えてきます。
だからスケジュールを皆で共有する必要もわかってきます。
そして、試作が終わった頃には、原価目標の達成が視野に入ってきます。
設計開発に携わっている方々でしたら、全く当たり前に感じられませんか?
私が歩いているところでは、これが当たり前でなくなっているように感じられます。
私のフォーラムでは、GAFAがベンチマーキングしたトヨタの主査制度について、かなりの記事を蓄積しました。わかる人にはわかってもらえると思います。
日本の製造業を元気にすることが、私のゴールです。
お声掛けいただければ、お伺いします。
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