プロダクト・マネジャーの仕事は、新たな価値を生み出すことです。
既にあるものではなく、ばらばらに存在するものを統合して、
新たな価値を生み出すことです。
この能力をゲシュタルト能力と呼びます。
コーチング理論の中でも新しいゴールを設定するときに、
今までに考えてもいなかったようなゲシュタルトを構築することが重要です。
ゲシュタルトという言葉はもともと、ゲシュタルト心理学の創設者であり、一九世紀後半から二〇世紀初頭にかけて活躍した心理学者のヴェルトハイマー( Max Wettheimer 1880-1943)によるゲシュタルト理論( Gestalt Theory( 19))から、心理学の用語として使われるようになったようです。
ゲシュタルトとは全体と部分が双方向的に関係しているという概念です。
つまり全体は部分の総和以上のものであるという考えです。
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スティーブ・ジョブズは、Macを創造したときに自らが成し遂げたことを
「connecting the dots(点と点を繋げる)」と呼びました。
もともとはジョブズの専門のカリグラフィーの知識と、マッキントッシュの開発とはまったく関係がなかったのです。
しかしジョブズは、カリグラフィーの知識と、マッキントッシュの開発という
点と点を結ぶことでパーソナルコンピュータの画期的な進化を実現しました。
まさにジョブズはゲシュタルトメーカーと呼ぶにふさわしい人です。
ジョブズはトヨタの主査制度を研究して、Apple社の組織耐性を構築したと聞きます。
プロダクト・マネジャーにとって、
ゲシュタルトは必要不可欠な能力であるということができます。